2:hide-and-seek

ただ一言、
言ってしまえたなら。










籠の中から見る景色は辺り一面の縞模様。


少女はその隙間から外界を見つめる。



だけど天井に身を潜める彼女の姿は、外からは見えない。




では、



全てが見えるのは誰なのか。






籠の鳥はいつしか、



空への帰り道を忘れてしまった。















「ウィンリィみーっけ!」




「あ〜!私としたことがエドに見つかるなんて」


「どういう意味だよそれ」

ウィンリィの言葉に鋭く反応を示すエド。
二人を見て苦笑するのは弟のアルフォンスだ。

「ところで未登録ちゃんは?」

「まだだよ。何処に隠れてんだか」


「兄さん、早く捜さないと日が暮れちゃうよ」



長く伸びた三つの影法師。

眩しさに光源を見やれば、太陽は熱された硝子玉のように落ちて西の空に輝いていた。


段々と色を変えていく空は、家路へ向かうよう子供達を導いているかのようだ。








桃色に染め上げられた夕空を、未登録も離れた場所で眺めていた。

彼女は花壇の茂みでじっと屈み込んでいた。



「どうしよう…」

取って置きの場所を見つけた筈なのに。

寂しいなんて変なの、と未登録は小さく膝を抱えた。
そして葉に覆われた鮮明とは言えない視界の中、ぼんやりと想像する。




もしも見つからなかったら、

このまま夜が来るのだろうかと。





自分から出て行かなかったら、最後にはみんな居なくなってしまうのだろうか。




だって、それぞれに帰る場所があるのだ。






帰る場所が。

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