7:残酷な造り

数日後、あてがわれた部屋に帰っても彼の言葉や表情ばかりがちらついて。
苦しいのに未登録にはどうしようもなかった。





「いつまで寝てんのさ」

「ん…う」

「進歩しないなぁ」

身じろぐ未登録に溜め息を吐くエンヴィー。
少女の顔の横には何冊もの書物。

エンヴィーは黙って未登録の髪を指に絡めた。



「…俺達を殺す研究でもしてんの?」



それとも、お前も思うの。
母親を蘇らせたいって。


あいつみたいに?






「やめといたら?」

妖しい笑みを浮かべ、エンヴィーは舌先を未登録の耳に入れ込んだ。




「ん…っひゃあああっ!!」

がばりと起き上がり耳を押さえる未登録。


「…。監視行くよ」

「……っ」


表面上は大して変わりないが、最近の彼はとても機嫌がいい。

理由は“お父様”に褒められたからだとか。

あの街の一件で男達の死体がエド達の気を引き、長時間同じ場所に二人を留めておくことになった。
それが結果として組織にとって有益だったらしく、結構な手柄とされたのだ。



「…子供みたい」


服を着替えて廊下に出れば、遠い彼の後ろ姿。

露出した肩には勿論傷痕なんて無くて。

未登録は漠然と、あの身体は彼等の言うお父様の為にあるのだと思った。

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