7:残酷な造り

香る金木犀が誘う。


見上げた空は
少し物悲しい美しさ。


飛ばされるように
形を変えながら流れる雲。



その気流を滑る鳥は、




何処かぎこちない。











「…上の方は風が強いのかしら」


頬を撫でていく風は冷たくも優しかった。
空気が澄んでいると思えるから、冬は好きだ。








「未登録」



聞こえた声は、空高くから私を呼び戻す。




最近になって、また呼ばれるようになった名前。

私の名前。






ねぇ、




貴方はもう、








忘れてしまったかしら。

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