3:深い夢 翌日、未登録は高熱で寝込んでいた。 「おい」 少し低いその声に目を開けると、一番会いたくない人物が未登録を見下ろしていた。 「あんた昨日何も食べなかったの?」 未登録は普段彼等が持って来る適当な物を食べているが、昨日は出された物を食べなかった。 正確には食べられなかったのだが。 「ふん、反抗期?」 「……」 具合悪いのに油物なんて食べられる訳ないでしょ、と内心呆れる未登録。 「…態度悪いな…。じゃあこれは?」 見るとエンヴィーは粉薬の袋を持っていた。 出所は分からないがわざわざ調達して来たことは確かだ。 「あ、あの…」 「口移しで良けりゃあげるよ」 「―――…」 一瞬でも感謝した自分が馬鹿だったと反省する未登録。 「冗談。欲しいならあげてもいいよ? まあ…風邪薬だっていう保証はないけどね…」 笑いながら意地悪く挑発するエンヴィー。 未登録はそんなエンヴィーをキッと睨んだ。 [page select] [目次] site top▲ ×
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