5:待罪-前編-




「どうしたんスか大佐、神妙な顔して」


中央司令部の一室にて。

ハボックは先程から机上で手を組んで動かない上司を観察していたが、ついにそう声を掛けた。

「ああ、この少女の事で進展があってな」

ゆっくりと顔を向けたロイは、手帳から一枚の写真を取り出す。
両親と幼い少女が写る家族写真だ。

「大将の幼馴染みの…何か手掛かり見つかったんスか」

「病院で行方不明になった以後、セントラル内で似た顔の少女を見たという目撃証言を複数得た。
少女には連れがいたそうだが、若い女だったり中年男だったりと証言によりまちまちだ」

「もし目撃されたのが本当にその子なら、妙な話ですね」

「ちなみに入院前ではこんな情報もあった、金髪金目の少年と大きな鎧を連れて繁華街で買い物をしていた、とかな」

「はは…」

あの二人やたら目立ちますからね、と苦笑するハボック。

「この秋口にはセントラル近郊の宿屋で少女の誕生日会が開かれたそうだぞ。
エルリック兄弟主催でな」

手帳のメモを遡り、ロイは薄く笑った。
二人の間に、しばし沈黙が流れる。

「喜んでた矢先でしたから…相当ショックだった筈ですよ、大将達」

「そうだな。…だが、今度こそは」

ロイは細かい文字の書き込まれた新しいページを開く。
その目に、強い光が宿る。

「先日、ファルマン経由で有力な情報が入った」

「へぇ。そりゃまた意外なとこから」


「詳しくは調査中だが、うまくいけば裏で手を引く者の尻尾を掴めるかもしれん」

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