1:予感

この先の水道が目的だと告げると、エンヴィーは一言「そう。」と呟いて。
壁に寄り掛かったままの未登録の手を引いて、彼女を抱き上げた。


「…俺がやるから大人しくしてて」

口早に言うと、こちらの返答を待たず歩き出す。
未登録は戸惑いながらもエンヴィーを見上げるしかできない。






見え隠れする、焦燥。





こんな、壊れ物のように扱われたらどうしたらいいか分からない。






甘くて辛くて、





苦しくて息ができない。

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