2:浅い眠り

未登録が二人を監視し始めて、数十分が経過していた。


「…あの頃のエドだ…良かった」

真昼の太陽のもと、元気に動き回るエドを見て自然と安堵の声が漏れる。
同時に、今すぐにでも彼に駆け寄りたいという衝動を未登録は抑えた。

「それにしてもあの鎧の人。…アル…ってことはないよね…」

エドとアルはいつも一緒だった。
それなのにアルの姿は修行の見送り以来見ておらず、ずっと安否が気になっている。

あの時、二人の家に行った後ウィンリィの家を訪ねたが未登録は面会を拒絶された。
二人の様子も分からずそのまま帰ろうとしていたら窓から大きな鎧が見えたのだ。



二人の家にあったやつだ。

そう思って見ていると、ほんの少し、子どもの姿が見えた。
エドだと確信し足を踏み出したけれど、それ以上未登録が前に進むことはなかった。


彼が、全く生気のない目をしていたから。

[ 9/177 ]

[*prev] [next#]

[page select]


[目次]

site top