8:手負いの鳥






赤い。
柘榴の様に赤い。






遠い日に見た色とは、違った気がした。












目を閉じて夢に落ち、喉元が苦しくなって。
息の仕方を忘れ掛けた。

このまま死ぬのかもしれないと、慌てて肺を意識する。
それでもうまく空気を取り込めずにいたら、だんだん、その事も気にならなくなって。






夢の暗がりへ、
深く深く落ちていく。




夢の中また目を閉じる。





そんな深い眠り。

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