ありったけの愛を君に


愛しい愛しい存在

「…あ、おはようございますー…」

休日の10時。陽当たりのいいベッドの上

こんな時間にも関わらずいい歳した大人な俺達は寝っ転がっている。どころか夢現になったりしている

「おはよう、ツナ。今日もよく寝てたなぁ」

「ディーノさんの腕枕安心しちゃうんですよね…お日様もあったかくて…」

また寝そう。目にかかる前髪をどけてやる

「また髪の毛伸びたな」

切りに行く暇も無いんだろう。今日は久し振りの休み

少し伸びた髪の毛を遊びながら頭を撫でる。そうすると、ツナは気持ち良さそうに目を閉じる

「猫みたいだな」

「じゃあディーノさんは大きな犬ですね」

「獄寺と一緒にすんな」

笑い合いながら温かい布団でじゃれ合う

「いいのか?やっとできた休みをこんな過ごし方して」

俺はもう大分経験長いから、休日が無くても休んだりモチベーションを保ったりってのはできるようになってる

でもツナはまだまだ慣れてない。休日にやりたいことも沢山あるだろうに

「んー…やりたいことは色々あるんですが…こんな過ごし方が今は一番休めていいんです」

目を合わせて微笑みかけてくる

「ディーノさんこそいいんですか?俺なんかとこんな過ごし方しちゃって…」

そうやって、笑ってくれるのが好きだから

「俺もこんな過ごし方が一番休めるからいいんだ」

少し長い前髪を上げて額にキスを落とす

「なぁ…もし、さ。俺とツナの間に子供ができたらどんな子がいい?」

それは、ある意味残酷な質問だけれど

「そうですねー…男の子と女の子ひとりずつ。どんな子でもいいです」

ツナは幸せそうに答えてくれる

「お休みの日には、子供たちのために疲れてても早起きして、遊びに行くんです。子供と手を繋いで、子供を肩車して、ディーノさんと一緒にみんなで楽しく歩くんです」

こうやって、空想でしか話せない将来の家族

「結婚式は…俺達、どっちの子でもきっと泣いてるな」

それでも何だか幸せなんだ。ツナが幸せそうに答えてくれる気持ちはすごい分かるんだ

「ディーノさんこの後はどうしますか?」

「そうだな…寝っぱなしって訳にもいかねぇし。散歩でもするか」

手を繋いで。のんびりのんびり

普通の恋人の様に笑い合いながら。のんびりのんびり

「はい。今日、いい天気ですしね。そしたらあと1時間くらい、このまま寝かせてください…」

随分、眠そうだから

腕枕を整えて、頭を撫でて、優しく優しくキスを落として

「おやすみ。ちゃんと起こしてやるから」

ふにゃり、と笑う君を。安心した顔で眠る君を。眺めて幸せに浸る

いい夢を見れます様に…願いを込めて、もう寝ているツナにまた優しくキスを落とす

今日はゆったりとした休日を与えよう

明日からは、必死に真っ直ぐ立つお前の背中を見守って、時には支えよう

そして…また休日にはのんびりと

いつか、お前が俺にくれた言葉をお前にも

「ツナが…幸せでありますように」


『ありったけの愛を君に』

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あとがき

ありったけの愛を君にシリーズディーノさんver.です

いつかブログに書いたネタを元に。使い回してすみません

このふたりはいつかこの幸せに見切りが来るってのをすごいお互いに分かってると思います

だからこそ、一緒に過ごせる間に起こり得ないことでも悲しくなりそうなことでも笑顔で幸せに話すと思います

ちょっぴり大人な恋愛をするディノツナ

2012.12.31



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