ありったけの愛を君に


愛しい愛しい存在

小さくて大きな大切な人

「山本が甘えてくるの珍しいね」

久し振りのふたりきりだから後ろから抱き締める

「やっとツナに触れるから」

柔らかくて温かくてぎゅってして

「いつもこうやって甘えてくればいいのに」

首に埋めてた俺の顔に頬擦りしてきた。くすぐったい

「かっこ悪い姿見せたくねぇもん」

「かっこ悪くないよ。可愛い」

「それがかっこ悪いのな」

くすくす笑うから。俺もくすくす笑う

ツナの色んな感情は俺に伝染してくる

笑えば笑う

泣けば悲しむ

お前の。喜びは倍に。悲しみは半分に。してあげたいって思うんだ

「ねぇ、山本。例えばの話だけどさ」

ツナの充電が完了してティータイム。緑茶だけど

「山本が俺にあげられる好きの気持ちの数が決まっててさ、それが底を尽きたらどうする?」

そしてティータイムにはこんな謎の会話を多々する

今日のテーマも大層変わってる。今までで一番壮大なテーマかもしれない

「底は尽きねぇよ」

「いや、尽きるって。無限は無いって。今の緑茶みたいにおかわりの量決まってるんだよ」

と、真剣な顔で迫ってくる。底は尽きないのに

「だってさ。俺が好きって気持ちをあげるとツナはそれを何倍にも返してくれるから、俺はまたそこから好きの気持ちをあげるんだよ」

だから。ほら

「な?俺達は底尽きねぇのな?」

きょとんって顔をしている

「ツナが入れてくれた美味しい緑茶を俺が飲み干すとツナがまた入れてくれる。確かに量は決まってる。でも、お前にもまた飲ませるために」

ガチャン

「俺がお湯を沸かす」

だから。ほら

「今日もティータイムはまだまだ続くのな」

俺が笑えば

「ワケわかんない」

君は笑ってくれる

「お前の喜びは倍に。お前の悲しみは半分に」
沸騰したお湯を再び急須に入れる

「悲しみは半分ってどういうこと?」

「ツナの悲しみを半分持つから。ふたりで分け合って支え合いたい…みたいな?」

そういうこと言うと、お前の眉が下がるのは分かってるけど

「じゃあさ、山本はもっと俺に甘えてよ。そしたら俺は幸せだから。そしたら、山本も幸せになるでしょ?」

今度は俺が眉が下がる

「お互い、努力だな」

愛しさを込めてキスをする。何度も何度も

悲しみは半分に

喜びは倍に

笑えば笑う

きっとお互いの感情はお互いに伝染する

だったら。ふたりで、幸せに笑いたい


『ありったけの愛を君に』

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あとがき

ありっけの愛を君にシリーズ山本ver.です

これは早く書き終わりました。愛の返し合いな山ツナをずっと書きたかったんです

結局、ツナはいつか山本が湯を沸かしてくれなくなるんじゃないかってことを心配するのに、山本はそしたら水を汲みに行くとか火おこして湯を沸かすとか全然違う答えを言うと思います

でも、そんな山本だからつなくんは安心できるんじゃないですかね

山ツナ爽やか…何だよやればできんじゃん←

2012.12.31



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