アフタヌーンティーはここで


「つーなーよしっ!!」

ばぁん!!と大きな音を立てて現れた女の子

「遊びに来てあげたよー!!にゅーっ♪」

結構な頻度で遊びにくる女の子
毎度毎度思うのはよく獄寺君のガード?をすり抜けて来るなぁと。結果的に通していても大抵一騒動ある

いくら小さい子とは言えそれ相応の実力があるのだろう

「にゅーっ!!遊びに来てあげたのにその態度はなぁにっ!?早くおーかーしー!!」

駄々こねるけど

「はいはい。これあと10分くらいで終わるから待っててね」

「まーてーなーいー!!ブルーベルは疲れたの!!ここまでのながたびに疲れたの!!」

じゃあ何で来るんだよ…そう思いながらも仕事を進める

その間ずっとわめくし走り回るし座ったと思ったら足をバタバタさせてくる。我慢できないちっちゃい子………

大人の俺はその煩さを我慢して目の前の仕事を片付けるのに躍起になる。もう少しだからね…!!マジでこれ終わらなきゃ俺が死ぬからね……!!



「はい、お待たせしました」

10分くらいで終わると言いながら5分で終わらせて10分以内にお茶まで用意した俺はさすがだと思った

目の前の女の子はそんな俺の苦労も知らずご不満そうに口を尖らせている

しかし。そんな彼女を笑顔にさせる魔法の呪文を俺は知っている

「今日はお菓子何がいい?マカロン?ケーキ?クッキー?それともマシュマロにして白蘭にお土産持って帰る?」

案の定、目を輝かせて立ち上がり。最初と同じくらいうるさ………元気な明るい声で返事した

「ましゅまろ!!そして白蘭にもお土産!!」

「はいはい。かしこまりました、お嬢様」

とても満足そうである。お土産付きだしな

更に彼女はお嬢様扱いされるのが好きなので

「今日はね、髪の毛とかさせてあげるっ!!」

今日も髪の毛をとかすはめになる

チビ達の世話は昔からやって来たけれど、実に皆タイプはバラバラで

ブルーベルを構うのがランボがガキの時じゃなくてよかったと本気で思う

「お嬢様、失礼致します」

にこにこしながら大人しくしている。その内お団子やってとか言われそうだ…それは是非桔梗さんに頼んでいただきたい

髪の毛をとかされながら紅茶飲んだりマシュマロ食べたりしている。動かれると髪の毛引っ張っちゃいそうで気を使いながらなるべく丁寧にとかす

「このましゅまろおいしいね!!白蘭も喜ぶよ!!」

今日一番の笑顔を見せてきた。なんつーかなー…やっぱり不思議なんだよなー

「何でブルーベルは白蘭好きなの?」

「えーっ!?うーん……ひみつっ!!あ、でもね、つなよしも大好きだよ!!」

「それはそれは。ありがとうございます」

理由教えてくれなかった…

実際、気になるのはブルーベルだけじゃない
真六弔花はみんな白蘭が個人的に集めた人々
何故。ついていこうと思ったのか。世界征服…?んなベタな…

「わっかんないだよなー。まぁ俺が知らないだけでいいとこもあるんだろうけど。何か性格悪いし笑顔がうさんくさいし。桔梗さんとかザクロとかもいっつも喧嘩してるイメージ」

ミルフィオーレに行くと大抵何かしら事件が起きている。主に白蘭が原因で

「あいつのいいところとか何も思い付かないや」

あいつと全力で戦ったからとかそういうのあるかもだけどそれを抜きにしてもだ

「……………………」

あれ…?ブルーベルが…やたらご機嫌斜めに…?

「謝って」

「え?」

何を?

「白蘭馬鹿にしたこと謝って!!」

え?な、なんでこんな怒ってんの!?

「白蘭のこと何も知らないくせに!!何も知らないくせに悪く言わないで!!謝って!!」

結構軽いノリで言ったつもりだったし、馬鹿にしたわけではない

「つなよしなんてだいっきらい!!!!」

でも、自分が慕う人の悪口?言われたら…それは…嫌だよね……

「あ、あの…ごめん、ね…?」

お菓子待ち以上に口を尖らせてしまった彼女に謝った。あ、何かやたら反省の気持ち強くなってきた…

「違うでしょ?」

はい。そうですね。もう少し心を込めて謝ります

「ごめんなさい」

「何でブルーベルに謝るの?」

え?な、何で!?

「謝るの違うでしょ?ちゃんと白蘭に謝って」

は………?

「はあああああああぁ!?」

いやいやいや、あいつに謝る必要無くね!?

「今から白蘭のところ行くよ」

「いや、あの、待ってください」

俺だって仕事があるしそんないきなり今日の予定を変更はできない。しかもそんな理由で

「………………つなよし嫌いになるよ?」

………………はぁ

「かしこまりました、お嬢様ー……」

ごめん、獄寺君。あとは頼んだよ…



そんなわけで


「びゃっくらーん!!!!」

着いてしまいましたミルフィオーレ

「あれ?ブルーベルおかえりー♪今日は随分早かったね」

そして早速目的の人物に出会うと言う

あ。でもこいつ

「はいっ、これお土産ー!!」

「ん、なぁに?あっマシマロじゃん!!ありがとっ、後で一緒に食べようか♪」

笑顔優しい。こいつらですら駒にしか使ってないと思っていた

ちょっと見直したかも

「今日はねっ!!つなよしが白蘭に言いたいことがあるんだよ!!」

しかし見直したからと言って簡単に謝ることができるだろうか。答えは否だ

「えっ!?つ、綱吉クンが僕に言いたいこと!?」

更に言えば前言撤回したい。すごく頬赤らめてそわそわし始めてはっきり言って気持ち悪い

言いあぐねてたら隣にいた小さい子が睨んでくる。また口を尖らせて不機嫌そうになる

えぇ、はい、分かってます。やらなきゃいけないことは分かってます

「あのな、白蘭」

「うんっうんっ!!」

1つため息をついてちらっとちっちゃい子を見てから腹をくくった

「……………ごめんなさいっ!!」

一応頭も下げてみた。すげぇよお前

俺、今は曲がりなりにもマフィアのボスとかさせていただいちゃってる身なのにですよ

直角に体曲げて挨拶してるよ

そして謝られた当の本人は

「……………」

呆然としている

「え、えーと…?」

ほら

微妙な空気じゃないか

「……何が?」

でっすよねー!!そう思うよねー!!
俺もそう思うわー!!!!

ひきつる俺と困惑する白蘭

その間にはひとりだけ満足そうに笑顔を浮かべるちっちゃい子がいた

「ねぇねぇ。綱吉せっかく来たんだから一緒にお茶しようよ!!」

俺と白蘭の間に流れる微妙な空気なんて気にすることもなく

「白蘭もさ!!仕事なんて桔梗にやらせちゃえばいいんだよ!!せっかくましゅまろ貰ったんだからみんなで食べよ!!」

ただただ純粋に笑っている

まぁ、ここまで来ちゃったしもういっか

今日は振り回されてしまおう

「じゃあ。せっかくだから。なぁ白蘭」

「へ?あ、な、なぁに?」

何か困惑し過ぎてて微妙にキャラが違う

「お前の淹れたお茶飲んでみたい」

何を言ってるんだろうって顔してたけど

こいつも何か色々どうでもよくなったみたいだ

「いいよー!!まっかせといて!!」

こうして。ミルフィオーレにて白蘭、ブルーベル、俺と言う何だか微妙な面子のお茶会が開かれることになった


そして


お茶のあまりのまずさに俺がぶちギレるのと

仕事しないで消えた白蘭を探しにきた桔梗さんがぶちギレるまで

あと数分




*おまけ*

「ねぇブルーベル。綱吉クンは何で僕に謝ってきたの?」

「にゅー………ひみつっ」

「ふーん。あーでも何かまた距離開いたかも。何もかも桔梗クンのせいだよね」

「白蘭のお茶が不味かったせいだよ」

「酷い!!」

「桔梗のいれたお茶は美味しかったのにって影でぶつぶつ言ってたよ」

「ずるい!!」

「とりあえずっ、ブルーベルが一番偉いよね!!」

「意味が分からないよ!!」

ブルーベルは別に怒ってなかったんだけどね

みんなでましゅまろ食べたかったから

つれてきちゃっただけ!!

「にゅっ!!今度、白蘭も一緒にボンゴレ行こー!!」

「……………桔梗クンに見付からないようになったらね」

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あとがき

まさかのブルーベル来ましたね
最近ブームだったんです

別に白蘭馬鹿にしたこと怒ってないんだけどみんなで食べたいから連れてきたとかまじ魔性のおにゃのこ

白蘭も綱吉も大好きででも白蘭に綱吉渡す気は一切無いんだぜ

ちっちゃい女の子可愛いよ

あと立場が微妙に弱い白蘭さん楽しい。実は桔梗様が一番強かったとかだといいと思うよね

2012.08.28



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