ギャグ


「10代目……」

写真を眺めて悦に入る青年がひとり

「ツナさん……」

写真を眺めながらうっとりしている女性がひとり

「「はあああぁ〜…あいしてますうぅ………」」

思わず。ハモった。ふたり

「…………おい」

「…………なんですか」

ギンッ!!!!

「ふざけんなアホ女!!!10代目は俺のもんだ!!」

「獄寺さんこそ何言ってるんですか!!ツナさんはハルにメロメロなんですよ!!!!」

この2人は。10代目である沢田綱吉が大好きである

「そもそも獄寺さんの写真なんですか!?それって隠し撮りですよね!?いやらしいです!!不潔です!!!!」

確かに。獄寺が持ってる写真はパーティーかなんかの対談中の写真である

「ば、ばばば馬鹿言ってんじゃねぇ!!これは俺が設置したカメラじゃなくて元々10代目に何かあった時の為に…」

ハルは疑いの眼差しで見ている。しかし、実際にカメラは設置されていたし、彼女もその事実は知っている

「100歩譲って獄寺さんが設置したカメラじゃないってことを認めたとしてもですよ?
何で、そのカメラが撮った写真を獄寺さんが持っているんですか?」

「う…っ!!」

ごもっともである

「う、うる、うるせぇよ!!そういうお前はどんな写真なんだよ!?人のこと言えんのかよ!?」

言われたままの獄寺は悔しくてハルに吠えかかる

しかし。予想外にも彼女は何も隠すことなく、堂々と誇らしげに写真を見せた

「な………!?」

「見ましたか!?ツナさんはハルにフォーリンラブです!!」

「ち、ちくしょう……!!」

項垂れる獄寺。ジ・エンド・オブ獄寺

ハルが見せてきた写真はこともあろうか。ハルとツナのツーショット写真だった

仲良さげに腕を組みながら

「これでもう分かりましたよね!?獄寺さんはツナさんのことを諦めてください!!!!」

ハルの会心の一撃!!獄寺は相当なダメージを受けている!!

しかし実際のところ、プライベートで撮った写真ではなく。パーティーのテンションの高さや周りの雰囲気を利用してお願いをしただけである

それでも彼女の行動力は称賛に値するだろう

「くそ!!諦めねぇ!!俺は認めねぇぞ!!アホ女勝負だ!!!!」

そしてこの諦めない獄寺の姿勢も称賛に値するだろう

男なのに男に恋してるのだから

「往生際が悪いですね…でもいいです。勝負します!!」

真剣に睨みあう2人

「どっちが10代目に愛されているか!!!!」

「どちらがツナさんに愛されているか!!!」

火花が散る





コンコン

仕事も一段落し、休憩しているツナの元に来客

その来客は

「10代目、少しお時間よろしいですか?」

言わずもなが。獄寺と

「お仕事中にすみません。すぐ終わります」

ハルの2人だ

「うん、いいよ?今丁度休憩してたところだし。二人が一緒なのも珍しいね。どうしたの?」

ぎこちなく並ぶ獄寺とハル

緊張した表情で、獄寺が口を開く

「じ、実は!!俺とアホお……は、ハル、け…結婚することになったんす…!!!!」

その場が凍り付いた

そう。勝負の内容とはツナに嘘の結婚報告をすることである

ツナのことだから、ちゃんとそれぞれに祝福の言葉をくれるに違いない

その時に彼の表情を観察し、どちらがより寂し気に言うかを観察して勝敗を決めることとなっていた

そして、勝者はその場で告白。敗者は潔く諦めることとなった

しかし。いくら嘘とは言え全くそんな気も無い相手との結婚話を大本命にするのは相当の寿命を削る勢いで辛い

むしろ、お互いに拒絶反応が出ていて表情は引きつっているし鳥肌も止まらない

そんな中。漸く口を開いたツナの反応は

「本当に!?てか2人付き合ってたの!?言ってくれればよかったのに!!!!」

まさかの。嬉しそうな表情

「うわあぁ!!おめでとう、獄寺君、ハル!!!!」

間違い無く。嬉しそうな顔をしている

「え、ちょ、ちょ10代目!?」

慌てふためく獄寺

「つ、ツナさぁあん…」

本気にされてることにかなりショックを受けるハル

「10代目!!ちょっと!!本気にしないでくださいよ!!誰がこんなアホ女と結婚しますか!!」

「そうですよ!!こんなデンジャラスな人とハルが結婚なんて…!!」

結局嘘だということをバラす2人

「またまたぁ。そんな照れなくてもいいんだから」

笑顔で信じないツナ。信じてほしくないところはそこではないのに!!と激しく項垂れる2人

「これはダブルでおめでたい感じだね」

意味深な言葉を吐くツナに反応する2人

何事かとツナを見つめるも好き過ぎて見ていられない2人は目を逸らした

「えへへ…実はね。俺も結婚するんだ…!!」

再び凍りつくその場

後程、そこには。屍が2体転がったらしい



勝負の結果:2人とも敗北





歩き出した屍

「おい、アホ女」

「何ですか獄寺さん……」

先程とは打って変わって覇気の無い声

「飲み行くぞ……さっき野球馬鹿にもメールした…朝すれ違った時様子がおかしいと思ったんだ……」

〜♪

丁度、獄寺のポケットから携帯が鳴り出す

その着信音にひきつった顔をせざるを得ないハル

何にしていたかはご想像にお任せします

『既に飲んでる。地図添付したから来い』

「行くぞ!!今夜はやけ酒だちくしょおおおおおおぉ!!!!」

「あ、待ってください!!ハルを置いてかないでください!!!!」

山本と合流した3人となった彼等は

飲んで、飲んで、店もはしごし続けて

朝まで飲んで朝を通り越して

昼に帰ってきて3人並んでツナにこってり叱られましたとさ!!



めでたしめでたし?



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