布団にて


あなたの存在って。最初はすごく近かったのに

いつからか。遠くなった

距離も身長も変わっていくけど

ただ1つ変わらないものがある

「ランボー!!誕生日おめでとう!!」

そう。それは。年齢差だ

「……………朝から元気ですね」

もう昔みたいに軽々しく近付けなくて

それは立場だけじゃなく守護者とか俺がある程度考えられるようになったとか

色んなことがあるけど

「ランボは元気無いね。俺より若いんだからしっかりしてよ」

とりあえず。ひとつはっきり言えることがある

「…………ここに来るまでに誰かに会いました?」

「え?そりゃあもう。起こしてくれるの獄寺君だし、雲雀さん早起きだからすれ違うし、山本と朝食一緒だったし、骸はいつも通り朝帰りするし。それがどうかした?」

殺される!!俺絶対殺される!!

「あ、そうそう!!今日ランボ誕生日だから部屋に突撃するんだーって話したら皆張り切ってたよ!!今夜はパーティーだね!!」

そうですね…血祭りですね……

何か朝から信じられない

やたら揺すられて起こされたらこれだ

夢じゃ嫌だけど夢でもあってほしい

なんでボスの方からこんなひよっこの誕生日祝いに来るんだ

「今日は上等なブドウジュース仕入れてあるから。楽しみにしてろよ!?」

ウインクを飛ばしてくるあなたは何歳ですか…俺と9個も違うのに…

でも、そうだ。俺も今日またひとつ歳を取ったんだ

「………俺、大人になりました?」

何とはなしに聞いてみる

「え?まだ未成年でしょ。だからブドウジュースだよ」

ぐさっと刺された
違う、違うよ…!!俺っちが聞きたいのそんなことじゃないよ……!!

でもそうなんだ。俺はまだ酒すら飲めない

他ファミリーとの会合には基本的に俺はついていかない。いかせてもらえなくて

昔から戦いには参加させてもらえなかった

それでも、俺には頼ってきてくれたじゃないですか

今はもう、昔頼ってくれてた俺と同じ歳なんですよ

もう少しだけ…大人に見てくれないだろうか…

「ランボは変わらないね」

見てくれなさそー!!!!!!
なんでことごとく打ち砕かれる俺のハート!!!!!!

「昔っから背伸びをしたがる。今のままでまだいいのに。今のお前にしかできないことあるんだよ?」

とか言いながらも頭を撫でてくる辺りやっぱり子供扱いですよね結局はそうですよね

「じゃあ昔の俺は何をできてたんですか」

自分ですら黒歴史なあの頃を尋ねる
何て大胆なことをしたんだ

「そうだね。ガキ特有のウザさがあったよ。危機感無いし」

いや、聞いたの俺だけど…!!
自分から聞いたけど…!!つら…っ!!

「でも何だろうなぁ。俺はちょっと肩の力抜けたんだよねー。はらはらしっぱなしではあったけど日常に戻れる感じあってさ」

項垂れてたらちょっと嬉しい言葉貰えてときめいてたらまさかの抱き締められて

ちょっと。今。どうすればいいか分からないんですが

「何だかんだでねー。抱っこするの好きだったんだよね。重かったし頭に色んなもの入れるしたまにおもらしするけど」

すみませんすみませんすみません
もう心の傷えぐらないでください何ですかこのアメとムチ

「あの頃より、俺達も同じだけ歳を取るからお前を子供扱いしちゃうのは変わらないんだけどさ。やっぱおっきくなったよな」

ぎゅって、アメを貰う

「もう腕の中に入らない。きっと、お前も俺より身長も大きくなるんだろうな」

そして。目を合わせてきたと思ったら本物の飴を貰う

「それでもいいんだよ。今のままで。純粋にブドウジュースを楽しめよ」

前髪を掻き分けられたと思ったら

「ワインは二十歳になったら上等なの用意してやるから」

おでこにちゅっ、てキスをされた

え?ちゅって?キスを?された?

え? え?


「えええええええぇ!?」

「あれ?イタリア人の癖になんでこれぐらいでそんな反応見せるんだよ。やっぱ子供だ」

そして次に頬っぺた
いや、え、あの、ちょ、え

「ランボは背伸びしたがりのかっこつけしぃだもんな!!皆と違って新鮮だ」

……………っ!!

「今日は休みだろ?ゆっくりしなよ。俺は何とか仕事終わらせるから夜にパーティーやろっ!!じゃーねー」

…………………え、っと

何で、口にまで?

え?なんで!!なんで!!!!!!

「生殺しいいいいぃ!!いや、違う!!ちゅーされたもんね!!えっ!?なんでぇ!?ええぇ!?」

有り得ない

やっぱこれ夢だ

「ツナのバカああああぁ!!好きなんですからねっ!!!!」

火照った顔を枕に埋める。意味が分からない

今日と言う夢の日はこの回想で終わりそうだ


まぁ、夢でなかったことは

すごく美味しかったブドウジュースと

すごく怖かった守護者が教えてくれた


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あとがき

「何だか10代目ご機嫌ですね?」

「ん?あぁ、いやぁ、ランボの奴があんまりにも初々しい反応するから口にまでちゅーしてきちゃった!!」

から始まるランボの誕生日パーティー

すっげぇ怖いなこれ

何かあまり意味を見出だせないよく分からない話ですね

それでいいんです。そういうのが書きたかったんです

ランボ誕生日おめでとう!!!!


2012.5.28



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