今日、告白します


獄誕&ツナ誕の企画に出させていただいたものです

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今日、俺は、俺の全てを持って

あの方に思いを告げる






今日が少し特別な日と気付いたのは少し前。たまたまカレンダーを見ていて

『俺の方が10代目より誕生日早いんだよな……うっ、先に産まれてすみません…!!』

10代目の誕生日まで何日か……指を置いて数えて…

『!!!!』

ずっと秘めてたけど、言いたくて仕方がなかった俺の行き場の無いこの想い

最終的に行き場を無くしても一度でもあなたに受け取ってもらえるなら

この日しかない





9月27日、獄寺隼人。10代目沢田綱吉に


今日、告白します



と決めたのはいいものの


「おっ、おっ、お………おはようござあぁいまーす!!!!」

緊張でガタガタだ

「お、おはよう獄寺君。今日も元気だね…?」

ああぁ苦笑い!!そしてドン引き!!スタートダッシュ最悪!!

朝に思い切って言おうかとも思ったけどフラレた場合に1日を乗り切れなくなるからとりあえず朝はやめることにしました10代目

それにしても……

「今日の数学って俺当たる番だっけー…」

いざ告白すると決めたからか…

「もうさっぱり分かんないよー。獄寺君は頭いいよね」

いつもより10代目がキラキラして見えて俺どうしよう。既にジ・エンド・オブ俺…

「ね、獄寺君」

く、くそ…しかし男としてここでめげてはいけない

「………獄寺君聞いてる?」

「俺から言うんです!!」


10代目に話しかけられてとにかく何かを返さなくては、と言う思いと悩んでたことがそのままごっちゃになってとんでもないことを言ってしまった

「あ、ご、ごめん……何か話したいことあるのかな?あ、うん。いいよ。獄寺君から先に言いなよ」



俺の1日の始まり

スタートダッシュからも何もかも

最悪な朝となった




(やべぇやべぇやべぇやべぇ!!)

頭がぐるぐるしている。くそっ!!何としても今日言うんだ!!例えどんな結果になっても!!

しかし伝える方法が中々出てこない

むしろ直接伝えるというのが俺には無理なのか…いや、男としてやはり直接でなくては…!!

「おい獄寺!!聞いてるのか!!」

「るせぇ!!テメェの話聞いてる場合じゃねぇんだ!!話しかけんな!!」

けっ。一言でビビって何も返さなくなったぜ

何か嫌な予感して振り替えったら

10代目が…こう、何とも言えない……何か、何て言うか、何とも言えない、本当そんな表情をしていた

あぁ…俺、もう駄目かも……

い、いや、でも…伝えるのは…話すだけじゃない…!!情けないけども……

この!!俺の!!右手に!!あなたへの!!想い!!全てを!!込めて!!あなたに!!愛の!!手紙を!!!!

「うおおおおおぉ!!」


「な、何か…獄寺君が突然集中し始めたよ」

「獄寺っておもしれぇよなー」

10代目!!10代目!!じゅうだいめええええぇ……!!



そして。昼休み

「あ、ああああ、あ、あのっ!!10代目!!これっ!!受け取って!!くださいっ!!!!」

い、言った……直接告白してないとは言え告白している手紙を受け取ってくれと…!!

「あ、あの……どんな形であっても!!あなたの正直な気持ちをお聞かせください!!で、ではっ!!ちょっと頭落ち着かせたいのでお昼はご一緒にできませんがっ!!失礼致します!!」

言うだけ言って光の如く俺はその場から立ち去った。うおぉ…何て返事が来るんだ…!!


「ツナ何貰ったん?」

「んー、手紙。いきなり集中して授業聞いたと思ったらこれ書いてたのかな…………って」

「「…………………」」

「…何も読めねーのな」

「うん……」




あぁ…10代目今頃読んでくださってるだろうか…

もうすぐ授業が始まるから戻ることにした。本当はサボりてぇけど返事が来てるかもしれないし

「あ、獄寺君」

─────────っ!!!!

っぶねー……心臓止まるかと思ったぜ…

入っていきなり名前を呼ばれるだなんて思わなかった

「な、なんですかっ」

やべ、声裏返ったかな?

「あ、あの、さっきの手紙なんだけど」

心臓がうるさい。喉が貼り付くように乾く。でも手足は血の気が無くて冷えてきている

「………何て書いてあるか分かんなくて…ご、ごめんねっ?だからさ、今日帰り2人だし…その時に直接教えてくれるかな…?」


あぁ……俺は何てミスをしたんだ…そうか…俺…

「ご、獄寺君っ!?ごめんねっ!?大丈夫!?」

G文字で………書いちまった…


そっからの授業は全て上の空で。教師の言うことなんて一切聞こえなかった

あぁー……何かもう俺ダメダメじゃねぇか。直接言えねぇし手紙ですら使えなかった

帰りに直接言えとか…そんな……できねぇよ…


「んじゃっツナ、獄寺、また明日なー」

「んー。お疲れ〜」

野球馬鹿を見送り

「じゃ、帰ろうか獄寺君」

「あ、は、はい………」

朝の心意気はどこ行ったんだか……

何も言わずに、沈黙で歩く。10代目は気を使ってるのか……内容を自分からは聞こうとしない

このまま…言わずでもいいのかもな……後悔はするかもしんねぇけど

「獄寺君。手出して」

もうテンション落ちすぎて地に埋まるんじゃないかとまで考えてたら突然話しかけられ

頭にはてなを浮かべながらも言われた通りに手を差し出した

「はいっ、あげる」

手に乗っかっていたのは小さくて丸い

「………飴玉…ッスか」

「うん。今日、何だかずっと調子悪そうだから」

うっ………
10代目の優しさに涙しそうになった…ブドウ味なあたりアホ牛用なのが引っ掛かるけど

「ありがとうございますっありがとうございますっ!!大切にとっておきます!!」

「え、いや、食べてよ!!」

本当にとっておきたいくらいだ。あなたから貰うもの全てが宝物になる

喉の奥まで出てきているのに…言葉として口から出てこないのがもどかしい

一言。たった一言なのに。それだけでいいのに

「ねぇ、獄寺君。知ってる?」

こんなにも、あなたが、好きなのに

「何気無くカレンダー見てて気付いたんだけどさ、今日は俺達の真ん中誕生日なんだよ」

「え………」

10代目も…気付いてた?

「俺達誕生日近いじゃん。そしたらこういうこと起こるんだね!!何か嬉しいや」

俺も…嬉しいです

大袈裟かもしれないけれど

あなたが生まれてきたこと
あなたと巡り会えたこと

あなたが気付いてくれたこと

そして

「あ、あのっ、10代目…っ」

俺が、9月9日という日に生まれてこれたことが

「さ、さっきのっ、手紙の内容なんですが…っ」



あなたのことが

「俺……………」








「ツーナっ!!獄寺ー!!」


「……………………」

ジ・エンド・オブ……


「やぁまぁもぉとぉおぉおぉぉぉ!!!!!!」

てんめええええぇ…!!!!

「ちょっ、獄寺君っ!!落ち着いて!!」

「ハハッ」

「ハハッじゃねぇ!!ちくしょう!!てめぇ絶対許さねぇ!!」


あぁ……………儚く散った…俺の想い…せっかく…せっかく言えると思ったのに…

「いやぁ部活早く終わったから追い掛けてみたら見付けたのなぁ!!」

うぜええええぇ…!!

「………………」

山本の後をぐったりとしながら歩く俺。そしたら前を歩いてた10代目が隣に来てくれた

いや、もう、自過剰でも何でもいい……あなたが俺の隣に来てくれた、只それだけでいいんです

「あのね、獄寺君」

『─────────────…』




「………へ?」

一瞬聞き間違いかと思った
それくらい、小さな声で
信じられない言葉をいただいたから

「え、え…あ、あの……?」

顔を見てみたら

「………………」

照れて、はにかみ笑いをしていた

「おーいっ!!どしたー?」

「うんっ、今行くー!!」

………………っ
本当…なんだよな。夢じゃ、ないんだよな


「じゅっ、じゅうだいめ……」

小さく駆け寄って

「お、俺の…返事です」

小さく囁いて


そっと、小さな彼の手を握った

「…………今日は俺達の特別な日だね」





今日、9月27日は


俺達の真ん中誕生日で


俺達の恋人記念日



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あとがき

冒頭でも書いた通り、企画に出させていただいたものです。とても素敵な企画でした。主催者様、本当にありがとうございました!!

何が楽しいって奮闘してことごとく失敗する彼が可愛くて可愛くて。ラブレターのはずがG文字とかどうなの。駄目でしょ

すみません。私はこんな獄寺君が大好きです

いつも一生懸命で、そんな獄寺君だからいいっていうか…

10代目の上目遣いマジ破壊力半端ねぇッス


2012.01.26
但し作成は2011.09.06 どうでもいい



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