あなたは秒速60km


ランチア誕と言い張る

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流れ星は願い事を叶えてくれるらしい

ただし、それには条件がある。流れてる間に3回、願い事を言わなければならないらしい

それは………願ったところで叶わないことと言われてる気しかしない

あんな、一瞬の時間に、3回も。見付けた瞬間にはもう終わる、そんな流れ星

今日は流星群とやらで沢山流れてくるけど結局どんくさい俺には何も変わらない

無理にでも叶えたいと思う願い事かと言われたら疑問でもある

叶えば嬉しい。でも俺は叶った後にどうしたいんだろうか。俺だけ嬉しくちゃ何だか寂しい気がする

この気持ちが何なのか俺は分からない

ただただ、彼から貰った指輪を握り締めながら。流れ続ける星達を見ていた




「ふあああぁ〜……」

眠い……気付いたら窓際で寝ていてリボーンに叩きおこ…いや、蹴り起こされた

いつもの様に獄寺君が迎えに来て色々話してくれるけど

いつもの様に山本が俺の弁当を褒めておかずを1つ取っていくけど

俺は。どこか上の空だった


何で彼がこの指輪をくれたのか分からない

とても大切なもののはずで。何で俺に持っててほしいと思ったんだろう

「ただいま〜」

「おかえり、ボンゴレ」


そしているはずのない人が立っていた

「えと…俺家間違えました?」

エプロンを着ている彼がいた。何で…?

「呼び出されて来たんだが…どうやらボンゴレの夕御飯係だな」

何だか和む笑顔

おかしいな…俺、昨日3回言えなかったのに

願いが叶った

「会うのは本当久し振りだな……ボンゴレが、あの時代で戦ってきたのは本当のことなのか?」

そうか。関わりがあるんだ…10年後では会わなかったけど

「はい………ランチアさんから貰った指輪。俺を助けてくれたんですよ」

あの日、刺されそうになった場所を。指輪が守ってくれた場所を。ぎゅっ…と握りしめた

「そうか………さて。ボンゴレ。何が食べたい?」

ほっとしたような顔をしたと思ったらすぐに話題を変えられた

気付いたときにはお礼を言う間もなく次の話題へ

せっかく来てくれても何もできずにきっとすぐ遠くへ行ってしまう

「ランチアさん、俺。コンビニでケーキ買ってきたんです。すごく簡単なものですけど一緒に食べましょう」

不思議そうな顔をした。夕御飯すっぽ抜かしてデザートの話題に入るならそりゃそうだ

「………今日は、ランチアさんの誕生日ですよ」

そしてびっくりした顔して

ちょっとからかおうかなと思ったら

「こちらでは今日なのか。気を使わせてすまない。ボンゴレのデザートではなかったのか?」

すぐにいつも通り

「いいんですよ。2つ入ってるやつしかなくて1人じゃ辛いかなと思ってたんで」

本当は嘘

1つは俺の分だけど

もう1つはいないと思っててもあなたの為に買ったものだから

「ならばお言葉に甘えさせていただくか。礼を言う」

落ち着いた笑顔

その後は2人でデザートまで食べて

ゆっくりしながら色々話そうと思ったら帰ってきたランボ達に取られてしまった

全部全部タイミングを逃してしまうどんくさい俺だけど

「誕生日おめでとうございます。ランチアさん」

一番言いたかったことだけは言えた


どうして会いたいと思ったのか。会えたときのあの気持ちが何なのか俺は分からないけど

今は。会えたからそれでいいと思う


あなたが流れ星みたいだななんて思ったのは内緒


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あとがき

チアツナって!!ドマイナー貫いた!!ランチアさんは私の旦那!!

てもチアツナも大好きなんです。何かほのぼのしませんか?ランチアさんヤバい

あの指輪は本当どんな意味があったんですかね〜

てかこれ誕生日ともCPとも言い難いものでごめんなさい。片想いなつなたん。無自覚な恋なつなたん

そんな私は昨日出張先の東北で1人で寒空の下で見ていました

チアツナはホットココアとか持ちながら外でにこやかに寄り添いながら見上げてればいいよ!!

ランチアさん。誕生日おめでとうございます!!


2011.12.15



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