あなたへの最後の手紙を書いて
本気で送るつもりで。封までして。我に帰った
馬鹿じゃないのか。馬鹿じゃないのか。何を書いたんだ
これから結婚するって人に。これからちゃんと普通の人生を歩む人に。これから幸せになる人に
所詮、元恋人の存在でしかいれない俺が。何でこんなこと書いた
その手紙は。ぐしゃぐしゃに丸めて捨てた。破ることはできなかった
馬鹿だなぁ。未練がましいなぁ。あの人の一番になれるとでも思っていたんだろうか
あの人を。俺の一番にしてあげられることができるとでも思っていたんだろうか
馬鹿じゃないの
俺達は。別れなくてはいけないんだ。だからこそ。俺達は。内緒で結婚したんだ
わざわざ…言わなくたって…いいじゃないか。それに、あなたが俺に手紙をくれた時点で…きっと。あなたから俺への気持ちは消えてしまったんじゃないかな
例え消えてなかったとしても。ここで言うわけにはいかない。あの人の幸せの足枷になってはいけない
だから。あなたを突き放さなくちゃいけない
辛い。つらい。つらいよ
あなたと出逢ったことも。あなたに抱いた想いも。あなたと過ごした日々も。あなたと俺の何もかも
いっそ。消えてしまえたらいいのに
「…………っ、ばかじゃ…ないの…っ」
泣くくらいなら。こんなこと考えなければいいのに
どんなに辛くても。あなたとのことを。忘れるなんてできる訳無いじゃないか
お願いだから。あなたも。相手がどんなに素敵な人でも。どんなに幸せな家族ができても。どんなに辛くても。俺のことを忘れないで。なんて…わがままですよね
そういえば。俺の初めてのわがままはもっと会いたいだった
忙しかっただろうに。簡単じゃなかっただろうに。でも。笑顔で俺のわがまま聞いてくれましたよね。いっぱい、いっぱい、わがまま聞いてくれましたよね
辛い。つらい。つらいよ
あなたがこんなにも。俺の心を占めてることが辛い
あぁ。だからこそ。けじめをつけなくてはいけない。あなたを。本当に。突き放さなくてはいけない
初めてのわがままはあなたにもっと会いたいでしたが
最後のわがままは。もう。俺に会いに来ないでください
「獄寺君。これ、ディーノさんの結婚式の返事。投函して。欠席にしておいたからスケジュール調整よろしくね」
俺に手紙を読んでくれたときずっと何か言いたそうだった君は。今も何か言いたそうだね
「欠席のことしか…形式な文章しか…書かれてないんですか…?」
「当たり前じゃない」
俺達は。只のマフィアのボスになるんだ。同盟も破棄して
同盟の破棄はりボーンとの約束。俺達の関係に気付いてたから。どちらかが結婚した時に、同盟を破棄することにしていた
俺は助かったよ。最も。このことをあの人には伝えていないけども。それで戦いを仕掛けて来るような人ではないって。よく知ってる
「…っ、じゅうだいめはっ!!それでいいんですか…っ!?」
馬鹿だなぁ……
「何で君が泣くんだよ」
獄寺君は優しいね。君も気付いていたんだろう?よく邪魔しに来たもんね
でもね。分かってたよ。俺の幸せを願ってくれてたこと。プライベートの範囲でしかないのに。いつも俺に予定を入れないでくれたよね。君の優しさをずっと感じていたよ
「いいんだ。あの人の足枷になってはいけないから…本当の気持ちも。手紙と一緒に捨てたよ」
あっけらかんと笑ってみせたら。もっと泣き出した獄寺君に。自分の虚無感がどこか遠くのことに感じた。ありがとうね
きっと優しい君は今夜は誰も報告に来させず、明日は仕事も来客もさせないだろう
ありがとう
案の定。夜はひとりでずっと泣いてた。広くて冷たい布団の中でずっと泣いてた。きっと明日なんてひっどい顔してるんだろう
今夜だけは…はめてもいいよね
ずっと輝いてる。今も輝き続けるあなたと俺のお揃いの指輪
内緒で結婚した日を思い出して更に涙する
ディーノさん。やっぱりこれが最後のわがままです
「………あなたを、いっしょう…あいしてます…っ」
あなたを。一生。愛させてください
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あとがき
こんなんですみませんでした/^o^\
テーマは
・いっそ消えてしまえたらいいのに
・手紙と一緒に捨てたよ
・最初のわがまま
の3つをついったの診断にて使用しました
しかし…これだけで分かります…?
ちょっと過去作品読まないと難しいですよね…?
あのシリーズの中で一番最後に読んでいただきたいけども。この終わり方はシリアスであまりいただけない(´・ω・`)
そろそろディノツナ幸せにしたい
2012.05.17
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