獄わんことつにゃんこ
〜日常編〜
注意書
パラレル
ツナと獄寺獣化
ディーノさん飼い主兼恋人
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ピーンポーン♪
「おはようございますツナさん!!」
「おはよう獄寺君!!」
あぁ………今日もかわいいッス、ツナさん…!!
「あれ、獄寺君、具合悪い?」
「えぇっ!?そそそそんなことないっスよ!?」
「そう?なんか顔赤いし息が荒いから………熱あるんじゃないの?」
と、ツナさんが近付いてきたと思ったら………
こつん
!?
で、で、で、で、で、でこ……?
「ほらっ!!やっぱり熱いよ!!ね、具合悪いなら無理しなくていいよ?」
なんて上目遣いしながら…!!だ、だめです!!更に熱が……
「あ、あれです!!ランニングがてら走ってきたんで火照ってるだけッス!!」
「ほんとに〜?」
納得いかなそうな顔で相変わらず上目遣い……いかん…!!
「本当ですよ!!さ、さぁっ、行きましょう!!」
俺は誤魔化すように外出を促した。ヤバイな…最近自重できない。顔が赤くて息が荒いのは毎日ランニングで通すか………
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「今日はどこに行きたいですか?」
「う〜んとね………」
2人で並びながら歩くこの感じ………まるでデートの様だ…
「あっ…ディーノさんが天気のいい日は川原に行ってみるといいって言ってたんだ!!川原に行こ!!」
「……………………分かりました」
負けねぇぞディーノ……!!
*川に着きました*
「わあぁー……獄寺君川だよ川!!おっきいねぇ」
「そ、そっスね…」
ツナさんは川を見たことがないのだろうか…いや、確かにここは割りと広いけど。海なんて見たらどうなるのだろう。いつか………
「─────…ん」
2人きりで海行って
「────…くん」
それから…それから……
「ごくでらくんっ!!」
「は、はいいいいぃっ」
「大丈夫?やっぱり具合悪い?」
「全然大丈夫っス!!」
「ならいいんだけど……」
やべぇ、トリップしてたぜ…気付いたらツナさんのどあっぷ………………はっ!!いかん、また心配されてしまう!!
*ちょっと歩いてみました*
「うわぁ!可愛いお花がいっぱい咲いてる!」
「あぁ、シロツメクサっスね」
「しろつめくさ?」
「はい。段ボールや箱に荷物を入れるときに隙間ができますよね?」
「だからあのプチプチするやつが入ってるんだよね?」
「それはどちらかとくるむものですね。この花は隙間を埋めるために使われてたんです。クッションとかパッキンと言えば分かりやすいですかね?だから"白詰草"って書くんです」
「白い詰める草!!なるほど……獄寺君物知りなんだね!!」
「そ、それほどでも……」
「あのさ、そしたら…」
「はい?」
「花かんむりの作り方知ってる!?」
「あ、はい。一応は…」
……すごく期待に満ちた目…尻尾も耳も振って………
「………教えましょうか?」
「うんっ!!」
更に明るくなる表情…かわいいっす………
「これをこうして、こうするんです。とりあえずはこれの繰り返しですよ」
俺の説明を聞きながら一生懸命作っていくツナさん。やはり慣れないからかがたがたではあるけど、少しずつコツを掴んできたようだ
「ねぇねぇこんな感じで大丈夫かな?」
「はい、いい感じです!!」
「…………獄寺君ってすごいね」
「えっ!?な、何がですか!?何もすごくないですよ」
「だって色んなこと知ってるんだもん。」
「そ、そんな…」
「それに器用だし……手も綺麗だよね」
「そそそそそんなことないっス…!!」
手!!握られてる!!手!!
あぁ…ツナさんの手あったけぇなぁ。やわらけぇなぁ。ちっせぇなぁ。かわいいなぁ………
「うん、獄寺君かっこいい!!」
なんて…嬉しすぎる言葉を発してから再び冠を作り始めるツナさん………翻弄されっぱなしだ…
ツナさんも作り方分かったみたいだし黙々とやっている。俺はというと……さすがにガン見はよろしくない
とりあえず周りを見渡してみたら……一輪の花を見付けた。つい、俺はその花を取った。ツナさんが花冠なんて可愛いもの作られてるからなのか………
「(好き…嫌い…好き…嫌い…)」
花占いなんぞしてしまった………
「(好き…嫌い…好き…嫌い…好き………)」
「獄寺君!!」
「っ!!は、は、は、はいっ!!」
「もうここを繋げてもいいと思うんだけど……」
「あ、それはですね……」
俺は、残りの一枚をちぎってから繋げ方を教えた
─────好き───────────
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夕焼けが綺麗だ………
今、ツナさんの家に向かって歩いている。本当は…本当はもっと一緒にいたいけど、我が儘言ってこの先会えなくなる方が辛すぎる。我慢だ我慢
大体、あの野郎は毎日一緒にいれるのに仕事から帰ってきてから10分の間に俺等は帰宅しろとか……
あぁもうすぐ着いちまう
「獄寺君、今日もありがとう!!」
「いえ、こちらこそ!!」
俺の方がお礼を言いたい。感謝してもしきれない。ツナさんに会ってから、毎日が楽しく、充実しているのだ。朝が待ち遠しいなんて、思ったこともなかったのに
「明日、行きたいところ考えててくださいね」
「明日、おすすめの場所あったら教えてくださいね」
なんてお互いちぐはぐなこと言い合いながら笑ってた。そして………
「おかえり、ツナ」
………ちっ、今日はこいつが早かったか…帰ってきてないときは帰ってくるまで一緒に待ってるのだ
「お、ツナ。何持ってんだ?」
「あ………これはっ…」
ん?あれ?ちょっと待てよまさか?え、ツナさん?やめて…今は、今はやめてくださいっ!!
「花かんむり…作ったんです。王子様みたいなディーノさんにあげたくて………」
「ツナ………」
あああああぁー…
俺…何で気付かなかったんだろ……何で無意識に俺がもらえるとか思ってたんだろ………
「ありがとな、ツナ。すっげぇ嬉しい!!」
「えへへへ……」
真っ赤になって尻尾を振りながらもじもじしている
あんなに幸せそうな顔されたら…………
「ディーノさんは……俺の王子様なんです」
……………やべ。泣きそう
「……そろそろ入るか」
「あ、はいっ!獄寺君、また明日ね!!」
「また明日……」
俺は無理矢理笑顔を作った。バレてませんように
やっぱり、アイツには勝てないのだろうか……
でも、諦められる訳がないんだ。俺は、あの人が大好きなのだ…
…………いつか、これが渡せる日が来たら、いい、な………
今日作った白爪草の指輪を握りしめた………
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「ディーノさんっ、ディーノさんっ!!」
「ん、おいでツナ」
いつも帰ってきた直後にキスをするから、きっと我慢できなかったのだろ。入るなり甘えてきた
帰ってきた直後ってのは、まぁ外な訳で。あの最初の日からアイツに見せ付けるようにしていたが………
さすがに今日はかわいそうになってしまった、だなんて。恋敵なのにな
「ディーノさん、大好きです……」
そしてぎゅうぅっと抱き着くツナ………うーん…
「ツナ。明日から俺が帰ってから30分の間に帰ってくるにしていいぞ」
「え、本当ですか!?」
何で許すかって…?ツナが俺をこんなにも愛してくれてるんだ。不安になんてならねぇ…
未だにぎゅうと抱き着いてるツナに応えるようにきつく抱き締めた
*結局、待つのが寂しすぎて帰ってきてから10分に戻ってしまうのはまた別のお話*
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あとがき
獄寺が不憫でごめんなさい←
こんなシリアスじゃなかったはずなのに………
でも白爪草の指輪握り締める獄寺が書きたかったので本人は大変満足していますです
2010.07.03
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