世界の始まりと終わり
髑ツナ微ヤンデレシリーズ完結
『ある夏の出来事。』の後です
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…誰かが俺を呼んでる
『沢田綱吉』
骸!!お前突然いなくなったから心配したんだよ!!!!
『綱吉』
雲雀さん!!どこにいたんですか!?風紀委員の人達皆探してたんですよ!!
『ダメツナ』
リボーン!!お前相変わらずだなぁ…また任務か?母さんに一言いってけよ
『ツナ』
山本!!どうしたの?怪我してた?いなかった間にあんなに張り切ってた試合終わっちゃったんだよ?
『沢田ああぁ!!』
お兄さん!!ロードワークは程々にしなきゃ駄目ですよ。京子ちゃん心配してましたよ!!
『ツナ!!遊べ!!!!』
ランボー…まずは風呂入るぞ。ほら、駄々こねるなって
『ツナ君!!』『ツナさん!!』『ツッ君』『ツナ兄』『ツナ』『ボンゴレ』『綱吉君』『沢田殿』
みんな!!あれ、何でだろう。何か皆久しぶりに会った気がするね
『──────…』
あ…!!
『─────10代目…』
獄寺君!!
俺ずっと待ってたんだよ?なのにいつまで経っても来ないんだもん。そんなに掃除時間かかったの?
『10だ……め…』
何?獄寺君
『じゅ………め…』
聞こえないよ
うまく聞こえないよ
ね、獄寺君…どこ行くの?
獄寺君…!!獄寺君!!!!
『─────……』
何で?何で??
『─────…ス』
あれ?誰かが……いない……
だれ……が…
『──────ボス』
「……………っ!!」
ここ、は……
「綱吉!!大丈夫…?」
クローム……違う…
「凪……」
「うなされてたみたいだったから……」
「大丈夫だよ…ありがとう……」
そうだった
今、ここが現実だ
彼女と2人きりの世界
獄寺君と最後に会った日からどれくらい経ったんだっけ……
雲雀さんは?山本は?リボーンは?皆は…?
俺の時間……いつから、止まった…?
「綱吉………」
凪………今この世界にいる唯一の俺以外の人
「やっぱり朝から様子がおかしいわ…どうしたの……?」
どうしたかって?
そんなの…
そんなの……
「…………夢の中に皆が…いたんだ」
彼女は……微動だにしなかった
「…覚えてる?校庭で、会った時」
再び、時間が動いた気がしたんだ
「あの日………俺が絶対守るって約束した」
あの空間で唯一の俺以外のひとりぼっちだった
「…………あれは…本当は俺が助けを求めてたんだ…」
手が震えてきた
「獄寺君がいなくなって…支えてくれた山本がいなくなって…怒ってくれたリボーンがいなくなって……気付いたら皆…いなくなって」
俺は、今とても残酷なことをしている
「……………ひとりぼっちになった」
だってひとりぼっちにしたのは彼女だから
彼女が俺の時を止めたのだから
「すごく…すごく、寂しくて辛かった。でも、あそこに凪を見付けてすごく安心した」
全く動かなかった彼女の口が心なしか緩んだ
「凪を助けるってことで俺が1人じゃないって分かりたかったんだ。俺は自分を助けたかったんだ」
最低だ
皆を消した本人の前でこの話をして
俺が助けて俺を助けた彼女にこんな話をして
震えてた手にそっと手を重ねてきた
「綱吉は私のこと恨んでる?」
いつかは、この話をしなきゃいけないなって……考えていた…
「何で、凪は皆を消したの?」
「ボスが私の一番だからよ」
即答だった
他は…?他の皆は!?
骸は?
城島は?
千種さんは?
京子ちゃんは!?
ハルは!?
イーピンは!?
「………好きだった。皆好きだった。でも、綱吉だけは違う好きだった」
俺を見詰める目は真っ直ぐで迷いがない
「皆、綱吉を好きになるかもしれない、綱吉が彼等を好きになるかもしれない。そう考えたら…皆嫌いになった」
まるで、何てことはないように言い放った。とても恐ろしいことを
「……………もし、俺が凪を恨んでいて、殺したらどうする…?」
彼女の顔を見れなかった
でも帰ってきた言葉はとても予想外のもので
「…愛する人に殺されるのなら、それはとても幸せなこと」
つい、顔を見てしまった
言った彼女はとても柔らかい笑みをしていた
「…………俺が、死のうとしたらどうする」
「その前に私を殺して」
実際に俺は死ぬ勇気なんてない
人を殺す勇気なんてない
それに
俺が死んだら凪がひとりぼっちになる
凪が死んだら俺がひとりぼっちになる
無駄な…質問だったかもしれない……自分にかかる負荷が重くなっただけだった
最後に聞きたいことがあった
きっと、この時が、この世界が壊れるときだと思う
「………もし、凪が俺のこと嫌いになったら…どうするの…?」
何て、俺が殺されるだけだよな
その日を待たなきゃいけないってのを分かりたかった。やっぱ覚悟は決めたいって言うかさ。はは…
「私ね、一番は綱吉だけど、同じくらい自分も好きなの」
凪は自分のことを好きって言えるようになったんだ……何か、安心をした気がする
「綱吉を好きな私が好きなの」
…………っ
息が詰まった…先程の安心感もどこかへ消えた
彼女の軸は、俺が思っていたのとは全然違った
「だから………もし、私が綱吉を嫌いになったら」
満面の笑みで言葉を綴る彼女の答えは予想がついた
最後にひとりぼっちになるのは彼女ではない
「綱吉を愛せなくなった私を殺すわ」
───────俺だ
いつから時が止まったか
いつからあの世界が壊れたか
いつから偽りの時間が動き出したか
いつからこの狂った世界が作り出されたか
それはきっと
彼女が俺を愛してくれた日から
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あとがき
終わりましたね……漸く…このお話も終りました
始まりは私が8月に見た夢
そっから気まぐれに書いた片想いがそのまま続きになりました…笑
とりあえず全ての髑ツナ好きに謝ります。こんな話ですみませんでした/^q^\
おっかしいな……何故こうなるんだ……可愛いクロームが好きなはずなのに…笑
2010.12.24
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