パイナップルでしっぽがおそろい


ジリリリリリリリリ………


あぁー………もう朝かぁ…

あ、でも今日は休みを貰えたしアイツが来るまで寝てていいんだ。よし、このけたたましい目覚まし止めよう


「……………」


何で。届かない。俺そんな遠くに置いたっけ


「ん〜……うるさぃー………」


うん、うるさいよ。だから止めようとしてるんだよ


………………ん?


「やだあぁまだねたいぃ………はやくとめてよつなぁ…」


あ、あれ?おかしくね?
これ、俺の声だよね?


あ、あれ?目の前に俺がいるよ?
手を丸めて手首で目を擦っている。まるで動物の様に………



いやいやいやまっさかあぁ……………ちらり、と自分の体を










見るんじゃなかった









コンコン


「おはようございます。ちゃんと起きてますか?今日は無事にお休みを取れましたか?」

「ガオ─────!!」


来てしまった!!来てしまったがついつい飛び付いてしがみついた。こいつなら分かってくれるかもしれない………!!


そう。俺とナッツの中身が入れ替わってしまったのだ。理由は分からないがどうせあの家庭教師が寝てる間に試し打ちしてみて特に変化が見られなかったから飽きてどっか行ってしまったとかだろう


頼むよ骸。今お前が頼りなんだ!!気付いてくれ…!!


「おはようございますナッツ。今日はお前もいるんですね」


とか悠長に頭撫でてる場合じゃねぇんだよ!!!!気持ちいいとか思ってるよ!!あれ?


余計なこと考えてたらいつの間にかゆっくりとベッドに戻されていた。ちょ、ちょっと待てよ!!


「えーと………」


そんな中どこか間抜けな俺の声がした



はっ………
いつもは「ガオ」とか「ガウガウ」とかしか言わないけどやっぱナッツだって生きているから感情が存在するのだろう


さっきも喋ったよな………


「あ、そうだ!!パイナップルのひと!!!!」


って!!この子何言ってるのおおおおぉ……!!


「え………ちょっと、綱吉君?」


ヤバイって…アイツのあの顔ヤバイって


「あとね、あとね!!しっぽがあるの!!ナッツとおそろいなの!!」


もう話すなお前えぇ…!!


「へ、へぇ…綱吉君がそんなこと思っていたなんて」


いや、てかお前も気付けよ!!明らか口調舌っ足らずじゃん!!!!


「ガウッ!!ガウッ!!!!」


ああぁっもうっ!!言葉が通じないのがもどかしい!!


しかもあろうことか


「ねぇっねぇっいつもみたいになでなでして!!」


ナッツの奴………抱き着きやがった…


「い、いつも?こうですか?」


「うんっ!!きもちー!!」


何ちゅうしてんだよおおおおぉ……!!お礼のつもりなんだろうが…きっとナッツは今自分がどんな状況か分かっていない


「今日の綱吉君は積極的ですね。そんなに僕が好きですか?」


お前も何聞いてんだよ!!馬鹿!!!!


「んーとねぇ……ナッツはツナがだいすきなの」


ヤバい!!また変なこと言い始めた!!


「だからツナがすきなものもナッツはだぁいすき!!」


すごい嫌な予感しかしない


「ツナはパイナップルだいすきなんだよ!!」


もうその言い方やめろ!!アイツマジで怖いぐらい満面の笑みしてるよ…!!


「デザートでパイナップルでるといつもにこにこしててナッツにもくれるの!!」


しかもリアルパイナポーかよ!!もうやめてあげて!!!!


「それでね、パイナップルたべてるときいつもむくろってひとのことはなしてる」


もう誰かこの子黙らせて!!!!いたたまれなさすぎる!!


「にこにこしてねしあわせそうにはなすの!!」


え、ちょっとこの展開ヤバくない?この子素直すぎない?


「ナッツもしあわせになるの!!ツナは、むくろってひとのことだいすきなんだね!!!!」


もう途中から聞いてられなくなって俺は布団の中へ身を隠していった


「……………頭隠して尻隠さず状態になってますよ、綱吉君」


布団をひきはがされ持ち上げられてしまった。やめろ!!俺マジ今どんな顔すればいいか分からない!!


「綱吉君は僕のこと大好きなんですね」


そんな笑顔で言わないで…


目をつぶって俯いてたらちゅって軽くキスされた















「…………………骸?」


視界が違和感無いものになった


や、やった!!戻れた!!


って!!このタイミングでかよおぉ……!!


「ガウッ…ガウッガウッ!!」


骸の手元にいるナッツはいつもより甘えている。今俺が名前を呼んだことで漸く彼が『むくろ』であることを認識したのだろう


「キスしたら元に戻るなんてまるでお姫様ですね」


ちょ、こっち見んな!!!!
思わず逃げ出そうとして


「逃げれるわけないでしょうこんな近くで」



あっさり捕まってしまう。そうなんだけど!!それはそうなんだけど!!


「ガウッガウッ」


「ほら、君の相方はこんなに甘えてくれるのに君はしてくれないんですか?」


ちらっとナッツ見たらいつの間にか肩に乗せてもらっていて身をすり寄せたりペロペロしてたり


骸も俺を掴んだ手をナッツにあげてしまった。撫でてごろごろして


すごい柔らかく楽しそうに笑って




「………………」

………別に、嫉妬した訳じゃないんだからなっ



とりあえず俺も笑顔を貰うためにキスをあげといた




*おまけ*

「ところで綱吉君。パイナップルを食べる度に僕のこと思い出してるんですか?」


「どうもすみませんでした」

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あとがき
お友達のネタメモから拝借してテストお疲れ様でしたと言うので書かせていただきました

ちゃんと骸ツナ書いたのは初めてですね。髑ツナの方が先で3つあるとかvv

ギャグ風味は最近あまり書いてないので楽しかったです

ナッツが舌っ足らずですみません。骸様がナッポー&尻尾ですみませんvv


2010.12.02



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