トラウマ克服!?


俺ははっきり言って

「わんっ!!」


犬が苦手だ


「わんわんっ!!」

すごく苦手だ











俺は今犬に追いかけ回されている。いやぁ俺足早くなったなぁ!!昔はすぐ追い付かれたのにね!!チワワにすら負けるからね俺!!!!


「わんわんっ!!わんわんっ!!」


「何でお前は追いかけてくるんだよおおぉ…!!」


もはや今の俺は120%の力を出しているんじゃないだろうか。今50mのタイムとか計れば間違いなく人生最高記録だ


こんなに考えられる余裕があるのかって?
冗談じゃない!!いっぱいいっぱいだっ!!は、早く…早く……!!


ガチャ


「っ!!」


見付けた!!
俺は探していた人物の元へと最後の力を振り絞って走っていった







「やまもとおおおおぉ…!!」
即座に山本を盾にするように背中に回り込む

「ぇっ!?おいっ、ど、どうした!?

「わんっ!わんっ!!わんっ!!!!」


ひいいいぃ!!
まだあんなに元気があったのか!!てか向かってきてるよ怖いよ!!思わず山本にしがみつく指に力がこもる


「次郎!!おすわり!!待てっ!!!!」


ギリギリのところで山本が声を張り上げて止めてくれた。た、助かった……


「次郎見付からねぇって思ってたけどツナが遊んでくれてたのか?サンキュ!!」

とかそんな爽やかな笑顔で言われても照れたりしない

「遊んでないよ!!」

「え?次郎はすげぇ嬉しそうなのな」

見るように促され恐る恐る覗き込んだ

「ハッハッハッハッ!!」


すっげぇ楽しそー……!!
そうか、次郎にとっては只の遊びだったのか。しかし残念だな。少なくとも俺は遊びなんかじゃなかった。全速力で逃げていた


「……………何かすっげぇ目キラキラさせて尻尾めっちゃ振ってるよね?」


「今、お預け中だからなのな!!」


お預け……俺をか……!!


「せっかくだし撫でてみるか?」

「遠慮します」

即拒否してしまった。いやだって怖いんだよ。今にもアイツは俺のところに飛び込む勢いだ。だってイイコにお座りしてるものの………お尻が浮いてるんだよ!!めっちゃ尻尾振って!!準備万端だ


「…ツナ、そんなに怖い?」

こくこくっ
首を思い切り縦に振る


「んー…そっかぁ……」


残念そうな声が聞こえる


「ごめん…」

「謝ることないのな!!苦手なものってのはあるし。ただなぁ……」

ちょっと苦笑い気味だ

「俺と次郎ってやっぱ似ててさ。次郎もツナが大好きなのな。何て言うか…俺も拒否されてる気になると言うか」

あ………

匣と持ち主は…………


もう一回次郎をチラッと見る


「…………」

さっきよりかなり大人しい。あれ?尻尾が項垂れている。ま、まさか、ショックを受けている……!?


……………ちょっと可愛いかもしれない。今なら…


「………ちょっと撫でてみたいな」


「「!!!!」」

ちょ!!いきなりさっきと同じ体勢に戻ったよ!?それだと怖いんだよ…!!

「大丈夫だって!!」

………山本の笑顔見たら安心してきた。山本が大丈夫って言うなら…大丈夫……

「か、噛まない?」

「噛まない噛まない」

「吠えない?」

「吠えない吠えない」

「わ……ハッハッ」

吠えかけたけど

「飛び付かない?」

「んー……ツナが好きだからわかんね!!」

「ハッハッハッハッ!!」

あ、確実飛び込む

「………撫でてみるだけだからね」

恐る恐る、ゆっくり、震えながら手を伸ばす


「…………えいっ!!」


ぽすっ


「……………」

柔らかい

なでなで…


「くぅーん……」

か……可愛い…!!
思わずいっぱい撫で回した
やっぱり飛び掛かってきたけど、もう怖くない


「あははっ!そんなに舐められたらくすぐったいよ」


何だ。何も怖くないじゃん
犬がじゃなくて次郎がってのも分かってる


柔らかくてあったかくて可愛い。もはやじゃれあいである





ぽすっ





なでなで




「…………何してるの山本」


「え?何かじゃれてるツナ可愛くてついつい」

な、何か悔しい…!!

「そんな顔すんなよ。ほら、ツナがいつか俺よりおっきくなって撫でるの待ってるのな!!」

そんな日確実に来ねぇよ!!

「分からねぇじゃん。牛乳いっぱい飲めばまだ伸びるのな!!」

いや、伸びねぇ!!
伸びたとしても山本より高くなる自信が無い……


その間もずっと山本は俺の頭を撫でていた。悔しいけども、嫌ではなかったから大人しくした


来るかも分からない山本を撫でる日までは、彼に似てる次郎をめいっぱい撫でてよう






*おまけ*

「わっ、ちょっと!!次郎!!本当にくすぐったい!!顔とか首ばっかり舐めないでよ!!」

「わんっわんっ」

怒る気にもなれないけど、何かね!!やっぱね!!

「はははっ」

山本も笑ってないでよ…!!

「持ち主と似るんだよな…」


「ん?何か言った?」


「いんや。しかしあれだよな、ツナって犬の扱いうまそうなのに」


次郎ですらあんなに逃げていた姿を見て何を言っているんだ


「犬は無理だよ!!次郎はもう平気だけど!!」


「んー…そっか。ま、いいや」


何なんだ…?


*


「ぶえっくしょいっ!!!!」


誰かが俺のこと噂してやがる
10代目だったらいいな…


『獄寺君って頼りになるしかっこいいよね……俺、獄寺君のこと…………』


10代目…俺もずっとあなたのことが……


「にょおおぉんっ!!!!」


「んぎゃーっ!!てめぇっ何しやがる!!せっかくいいところだったのに!!あっ!!逃げるなっ瓜!!!!」












「犬と猫は性格が合わねぇのな〜」


「ふーん」


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あとがき
私の精一杯の幸せ山ツナです。漸く思い付いたのがこれって笑

もっさんは然り気無くツナに好きだって示してますがツナは気付いてないかlikeとしか思ってないみたいな

でももっさんだからね!!
きっと少しずつ距離つめるよ!!

ちなみに犬は勿論獄寺。犬と猫は性格が合わないと一概には言えないんですがね笑 あと獄寺のは回想ではなく妄想です

ツナが犬は無理と言ってもっさんちょっと喜んでますよ。あれ、結局腹黒いじゃん(^q^)


2010.11.22



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