緋と朱と華


『くるくる ふわふわ』の続き
微ヤンデレ

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あの日から、ボスと話すことが多くなった

お家に呼んでくれて

あたたかい家庭に混ぜていただいて

不思議。ボスは不思議な人

誰よりも心があたたかくなるの

ぽかぽか


好き








「花火…大会……?」

「うん。もしクロームがよければなんだけど…」

今日もボスのお家にお邪魔してて言われた

近々町内で花火大会が行われるみたいで

「………私で…いいの?」

だって……ボスの周りにはいつも人があふれてる

みんな、みんな、ボスが大好き

「何かうまい具合に皆都合が悪いみたいでさ。せっかくだし、クローム誘ってみようと思って」

花火

空に浮かぶ大きなきらきらしたお花

ふわふわな気持ちでどきどきしながらボスと見れるなら

それはとても幸せで

「……………行きたい」

嬉しそうに笑ってくれた

ぽかぽか


好き







「きゃーっ!!クロームちゃんかわいいぃっ!!!!」

お母さん

ボスそっくりで

ボスにそっくりな笑い方をする方

ボスとは違うけど、心がぽかぽかする

「私のお古でごめんなさいね。でもやっぱり女の子っていいわぁ!!!!」

お母さんのお古の浴衣

紺色に

赤い金魚がいる

可愛い

「女の子じゃなくて悪かったな!!」

ボスは普通のお洋服

少し残念

「クローム似合ってるね!!」

顔が金魚みたいに赤くなるのが分かった

どきどき

「じゃあ行こうか」

一緒に歩いてく

ぽかぽか


好き








「縁日も結構出てるね。回ろっか」

一緒にきらきらした出店の中を回る

ふわふわな綿菓子

ぴかぴかのりんごあめ

それでも

ボスに気を取られる

人混みに入って

ごちゃごちゃ

待ってボス…

置いてかないで

離れないで

「クロームっ」

…っ、

やわらかいと思ってた

ちゃんと男の人の手

それでもあったかい

どきどき

どきどき








「ふぅ…大分落ち着いてきたかな」

私は落ち着かない

どきどき

「っ、あ、ご、ごめんっ」

離された手

そこは少し、寒かった

「はぐれたら困るなって思って…つい……」

りんごあめの様に真っ赤になるボス

私は金魚

りんごあめと金魚は違うものだけど

同じ赤色

「あれー?沢田じゃね!?」

「おっ!?マジだ!!しかも女連れてるし」

誰……

「なぁなぁ俺等金無くて何も買えないんだよ〜。少しくらいくれんだろ?」

ボスをいじめないで

「こっちのかわいこちゃんは俺等と回ろうぜ」

やだ

やだ、気持ち悪い

さわらないで

「その手を離せ!!」

「あぁ?」

ボスが怒鳴った

驚いた隙に間に入ってくれた

少し、がくがくしてるのに

「やめろ、彼女に手を出すな!!!!」

私を……守ってくれてる…

「うっせぇな!!生意気なんだよ!!」

「っ!!」

ボスを殴った

ほっぺたに人工的に作られたりんごあめ

許せない、許せない

「──────、」

「君達、何をしてるの?」

すっ、と通る低い声

「げっ…!!」

「や、やべぇ、おい逃げるぞ!!」

「逃がさないよ」

颯爽と現れた雲の人

さっきの人達をあっさり倒していった

……………何もできなかった

ずきずき


嫌い








人が少ない河原に座って

2人で花火を待つ

「ボス…大丈夫?」

「クロームは?」

質問より先に私を心配してくれた

大丈夫じゃない

ボスのほっぺがかたっぽだけ

赤から黒へと変化していて

大丈夫じゃない

今ボスとふたりきりでいるなんて

大丈夫じゃない

「………大丈夫」

「ならよかった。俺は痛いの慣れてるけど…情けない姿見せちゃったなぁ」

違う

違うわボス

痛いのに慣れてる人なんていない

私に力があればよかった

私にボスを守れる力があればよかった

『人の消し方を………教えてあげましょうか』

「あっ、花火上がったよ!!」

『何よりも強い想いを持っていればできますよ』

「綺麗だねー……」

『君にあるとは思えませんが』

「そういえばクロームは花火大会とか来たことあった?」

好き

「………初めて」

誰よりも

ボスが好き

「えっ!?う、嘘!!初めて一緒に見たの俺!?うわぁ…何かごめん」

ボスをいじめる人なんていらない

「初めて一緒に見たのがボスでよかった」

骸様もいなければいいのに

「………そ、そっか。何か照れるなぁ」

そうすれば私が正式な『霧』になれるのに

「…誘ってくれてありがとう」

空に咲くきらきらなお花

ぴかぴかしたお花

骸様の中で泳ぐ金魚じゃなくて

ボスに咲く花になれたら

いいのにな





その日を境に




骸様の声は聞こえなくなった








人を消して何かを失った

強く想って骸様を失った

「あっ、クローム!!」

大好きなボス

でも後ろに誰かいる

「帰りますよ10代目!!」

「何で獄寺君はここにいるんだよ!?掃除当番でしょ!?」

嵐の人

「10代目を1人で帰らすなんてそんな…!!」

「ちゃんとやりなよ!!じゃないと今日俺の家に来るの禁止!!!!」

仲がいい

「………!!」

「その代わり終わったら、俺の家にまっすぐ来てね」

「っ、は、はい!!すぐ終わらせます!!」

もやもやする

「獄寺君も困った人だよね」

呆れた風に言うけど……

優しい笑顔

「………ボスは、あの人が好きなの?」

あわてるボス

くるくる

くるくる表情が変わって

りんごあめなほっぺで

何よりも素敵な笑顔で

只、一言発した








もやもや

ぐるぐる

ざわざわ

こんな気持ちもう無くなったと思ってた

もやもや

『ダメ』

ぐるぐる

『ボスを悲しませてはダメ』

ざわざわ

『ボスの笑顔まで失ってしまってはダメ』

「……………ボスが好き」


ボスのこと、好きになってごめんなさい


夏だから


今日もどこかで花火が上がる








私はボスに咲く花になりたい

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あとがき

引き続きクローム電波です。そしてヤンデレ入りました(^q^)

何だかんだ続き物になりましたね。流れとしては『くるくる ふわふわ』→『緋と朱と華』→『ある夏に起こった出来事。』になります

個人的にはある夏〜→くるふわ→今回と読んでほしいです笑

何かもう設定とかハチャメチャですみません…骸も獄寺君もごめんなさい/^q^\


2010.11.11



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