だって、やっぱ、大事ですから



───男、獄寺隼人、一大決心しました───








「10代目!!俺っ、あなたのために煙草やめます!!」


「えぇっ!?」


なんて、誰もが驚いた言葉から始まった朝でした


「煙草なんて俺の自己満ですし、他のヤローはどうだっていいんすけど……あなたには…そ、その、き、きす、とか、します、し…」


本当驚いた。まさか獄寺君がそんなこと言うなんて……てか顔を赤らめながらそんなこと言わないでほしい。俺も照れてきちゃうじゃないか…


でも、これだけは言わなきゃ……


「あ、あのさ、獄寺く…」

「何もおっしゃらないでください!!俺は決めたんです!!俺は止めます!!煙草以外の話なら何でもお聞きします!!」


お優しいこの方のことだ。きっと気にしないでとかおっしゃるのだろう。それがいいと思うよと言われてもきついものがあるので聞かないでおきます。申し訳ありません10代目……!!





「……とりあえず、ホームルーム終わってから言ってほしかったか、な…」

(周りの視線が痛いんだよ……)



…………申し訳ありません10代目(そしてすげぇ愛してます)

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「なぁー獄寺ー」

「んだよ野球バカ」





「なぁー獄寺ー」

「あぁ!?」





「なぁー獄寺ー」

「…………」





「なぁーごくで」

「うっせぇ!!話しかけんなこの野球ヴァカ!!!!」


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「て感じなのなー」

笑いながら報告してくる山本。あぁ、予想通りだよ獄寺君…イライラしてるんだろうな…むしろ山本よくあんなに話しかけたよな、尊敬するよ


「はぁー………」


「……なぁ、ツナ」


「ん?」


「ツナはさ、どう思ったわけ?朝の獄寺の宣言聞いて」


「どう、って………そりゃあ…いつかは止めてほしいとかは思うけど…これじゃあ…っ」

言いかけてるところに聞いてきた本人が止めた


「きっと、俺もツナも同じこと思ってるのな。俺が言おうとしても聞く耳持たねぇしさ、お前から言ってやれよ」


そっか…あんなに話しかけてたのは言ってあげたかったからなんだ………山本に先越されたどころか促してもらわなきゃ行けないあたり、俺…やっぱり駄目だな


「んな顔すんな!!いくら言おうとしてもアイツが聞いてくんなきゃ意味がねぇから。ツナにしか、できないことなのな」


「…………うん、ありがとう山本。俺、獄寺君のところ行ってくるね!!」





あーあぁ……またやっちまった。でも、俺は誰よりもツナの笑顔が見たいのな…気付いてたか?ツナ。朝からずーっと顔がどんよりしてたんだぜ。まぁ…………結果オーライ、として何回目か分からない失恋を笑顔で誤魔化すことにした

*屋上*

ああああぁ…………イライラが止まらねぇ…まだ1日も経ってねぇぞ俺…あぁ…せめて10代目が横にいてくだされば……あぁ10代目10代目10だ

「獄寺君っっ!!」

「10だいめええええぇっ!!」

「ぬあああああぁっ!?」

あぁ…10代目ほっせぇ…ちいせぇ…やわらけぇ…守ってやりてぇ…………


「ああああああ、あの、獄寺君…」

何なんだ……いきなり抱き着いてきてびっくりして変な声出しちゃったじゃないか。あぁ耳と尻尾見えてきた……


「あのさ、獄寺君」


「はぃー……」


「…煙草ね、そりゃあいつかは止めてほしい。でもそれで君がこんなに苦しんでるのは嫌だ…周りもギスギスしちゃうし、獄寺君が皆に嫌われちゃうのは嫌だ(俺だけは嫌わない自信があるのは黙っておこう)だからさ…無理しないで、少しずつとかにして…って、喫煙を促したい訳じゃないんだけど!!え、えっと…」


「すんません10代目…意思を固めるって意味でも、あなたに宣言したのに………俺、弱かったです…すんません…すんません……」


「…………ちょっとずつさ、減らしてこ」


「…………はい」


「あとさ、口寂しくなったら、」

























「…………こうやって、俺が…その………キスしてあげるから、さ」

「…………10だいめえぇ…」

真っ赤な顔で上目遣い反則っす……あぁもう愛しくてたまんねぇ


「俺、頑張ります。今すぐ禁煙は無理ですけど、頑張りますから!!」


「うん!!」


気付いたらもう下校時刻………長いような短いような1日が終わった。獄寺君の宣言はその1日もたなかったけど……まぁ、少しずつ、少しずつ、ね!!


「帰ろっか」


「はい!!」


というわけで2人で仲良く帰りました






「…………解決、か。一緒に下校なんて獄寺羨ましいのなー…」

傷心中な彼1人残して、なのを知ってるのは夕日と一番星だけ

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あとがき

突然私が禁煙すると言い始め、我慢できない気持ちを萌えにぶつけてみたらこうなりました←

獄寺は1日もたないと思います。でもきっとツナが優しくしてくれます

え、私?1日しかもちませんでしたよ!!むしろ友人に数本貰い続け今じゃ諦めてます。理由が金欠じゃあ難しいです……orz

2010.06.07



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