残り香


ツナがマフィアになるのを止めて獄寺がイタリアに帰った設定ということで

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本当に酷い人だな、って思うよ


「な、ツナ」


俺の隣にいる『恋人』


「今何考えてる?」


「…………山本のこと」


嘘は言ってないよな、うん


「俺は獄寺のこと」


ほら、来た

聞いてもないのに


「山本は獄寺君のことが好きなの?」


少し意地悪をしてみたかった


「ん?俺が好きなのはツナ」

あっさり返ってきた


「獄寺を好きだったのはツナだろ?」


しかも仕返し


「あ、違うな。現在進行形か。獄寺を好きなのはツナだ」


意地悪だ


「…………普通そういうこと言う?」


「仕掛けたのはそっちだろ?」


いたずらっ子な顔。俺、恋人なんだけど


「獄寺君と同じ銘柄吸ってるのは、獄寺君を忘れたくないからじゃないの」


そんな俺も恋人らしからぬ発言


「違う違う。ツナが獄寺を忘れないように」


…………何だそれ


「普通、好きだった人が引きずってた場合忘れさせるんじゃないの?」


それが普通じゃないか


「獄寺を忘れてその空間に俺が入るのは嫌なのな。好きだった獄寺への気持ちを越えるくらい俺を好きになってくれなきゃ意味がねぇだろ?」


笑いながらさらりと言う俺の恋人。彼に普通を求めちゃいけなかった


「ツナ」


引かれてキスされる


あ、べろ入れてきた


苦いよ


何でそんなことすんの


「な、ツナ」


睨んでみたけど全く動じない


「どっちの味がした?」


煙草の味しかしてないよ


「俺の味?それともアイツ?」


まっすぐ目をそらさず聞いてくる。俺もそらせない


『10代目』


………………ぁ


『俺、こんなこと言う資格無いスけど、ずっと……ずっと、あなたのことが──────…』



あの日君は俺にキスしたよね。連絡先も教えないで、これから会える可能性なんてそれこそ無いに等しい俺に、気持ちを押し付けて、


煙草の味を残していったんだ


「…………っ」


こぼれる
頬に生暖かいもの


「…………まだ、俺じゃない?」


酷い


「酷いよ……っ」


「うん、知ってる。俺最低な奴」


ごめんな、って言いながら抱き締めて背中をぽんぽんしてくれた


酷くて優しい俺の恋人


「酷い……っ」


俺に存在を置いていった獄寺君


彼の存在を忘れさせてくれない山本


そうやって、2人は俺のことをこの先ずっとずっと束縛していくんだ


本当に酷い人達だなって


思うよ


「…………………大好き」


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あとがき

悲しいな……!!
何でこんなに山ツナ悲しくなるの(^q^)

いや、何かもう本当申し訳無くなってきた。しかも別に忘れさせるのが普通じゃないですよね

元祖組好きな方々すみません………orz

ひとまず山本が煙草吸ってるの大好きだったりする笑

2010.09.29



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