ふたり


山本を祝っているのか若干謎
若干不健全

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今日、24日じゃん


そっかぁーもう4月終わるのかぁ


「ツーナ!!帰ろうぜ」


「あ、うん。待って、もう少しで日誌書き終わるから」


ツナは多分知らねぇだろうなぁ…


マメな性格でないし、これはどうでもいいことなのかもしれない。それでも…知らなくてもいいから一緒にいてくれてたら俺は満足だ


「お待たせ!!職員室寄って帰ろ」


「寄ってって、寄らなきゃ帰れねぇのな」


笑い合って隣に並んで歩く。俺よりも身長は大分ちっちゃくて、歩く早さも遅い


俺とツナは、見ている目線が全く違うんだろうな……


「や、山本君!!」


ツナが職員室に入ろうとしたと同時に女子に話しかけられた


「山本、校門で待ち合わせしよ」


ツナが気遣ってくれた。まぁ……めんどくさいけど仕方無い。今日初めてじゃないし


裏庭まで連れてこられた。しかもいんのは呼び出した女子だけじゃない。意味わかんねぇ。めんどくせぇ…


「山本君が誰とも付き合う気が無いのは分かるけど…プレゼントくらいは受け取って!!」


嫌だって言いてぇ…ツナに見られたりすんのも嫌だしなぁ


「……………ごめんな」


あぁあぁ、泣くわ叫ぶわ叩かれるわ……めんどくせぇ。女って何でこんななの。もういっか。早くツナんとこ行こ


「あ、おかえり山本ー………」


苦笑いされた。俺も苦笑いで返した。叩いた奴ぶん殴ってやろうかと思ったけどさすがにやめた


「山本は今日これから予定あるの?」


「ん?無いぜ。何で?」


何か言いにくそうに苦笑い。どうやら一緒に宿題をやろうとしているらしい。あぁー獄寺もいねぇしなぁ


「一緒にやるか、宿題」


「やった!!俺だけじゃ絶対無理だったからさぁー」


多分、ツナは知らない
でも、俺の部屋に来てくれることに変わりはないから……うん、やっぱ嬉しい


「実は今朝遅刻しそうでさ、途中までチャリなのな」


顔馴染みの店の前に置かしてもらっていた。おかげで遅刻もせずに済んだ


「ほら、ツナ。後ろ乗れよ」


なんか照れられた。やめろよ、そんな顔すんなよ。ドキドキしちまうから


「え、えと…こう?」


ぴっとり、体をくっつけられた


うわぁ、やべぇ。ツナ体温高い…更にドキドキしてきた


でも、やっぱり嬉しくて。楽しくチャリをこいだ


「ツナ軽いのなー」


「身長低いせいだよ…気にしてるんだからあんま言わないで」


何でそこで腕に力を込める


「でも…ツナは軽いから、どこにでも連れていけそう」


「山本に連れていってもらえるなら楽しそうだな」


なんかすげぇ青春してる
な、ツナ。俺、めっちゃ楽しい


「ねぇねぇ、俺が前でこいでみたい」


「いやぁツナじゃ無理だろ」


「そんなのやってみなきゃ分かんないじゃん!!」


無理だろ。俺意地悪だから


まぁ、言い出して聞かないから交代した


「た、高さが……片足しか届かない…」


そう。俺達は生きてる目線が違う……サドルの高さなんてこんな小さなことでも、それを感じさせてしまう


高さを調節して再びスタート


「う、動かない…」


「そりゃあ俺とツナが体重違いすぎんのな」


それでも、諦めまいと一生懸命漕ごうとする。可愛いなぁ


全く進まない。何でこんなに頑張るんだろ


「ツナ、そんなムキになんなって」


「いーや!!たとえ少しでも進む!!」


だって、進むわけねぇもん。俺が意地悪してるから


「俺だって…山本をどこかに連れていってあげたい!!」


気合いを入れたのか、少しだけ…進んだ


「ほら!!進んだ!!ちょっとだけ進んだよ、山本!!」


すごく嬉しそうにはしゃいで


また必死に一踏みしようとしている


ツナはすげぇなぁ………足が地面に根付いて動こうとしない俺を、引っ張ってくれたんだ


そしたら………俺も、少しは努力が必要なのかもしれない


少しだけ……地面で踏ん張ってた足の力を抜いた


「やった……!!ゆ、ゆっくりだけど進んでる!!!!」


ツナなら………俺を、どこまでも連れていってくれる気がした

















「あ、やっと起きた」


「……………はよ、ツナ」


ベッドで互いに裸のままくっついて寝ていた俺達


「……………懐かしいこと思い出してた」


引き寄せてでこにちゅう


「いつ頃のこと?」


「まだ中学生だったとき」


俺に甘えるように体を擦り寄せる。誘ってんのか?


「二人乗りした日のこと。な、ツナ」


「ん?」


ぴったり、くっついた体。服は無くて、お互いの皮膚だけが隔てている。このまま溶け合えたらいいのに


「………友達に戻りたいって、思うことある?」


柔らかい髪の毛を撫でた


「何度もあるよ。あのまま気持ちを育てなければ、セックスなんてしなければ、好きになんてならなければよかったのにって」


あっさり笑顔で答えるとか…それはそれで悲しい


それに、別に俺等は恋人同士では無い…らしい


「俺達の関係って何だろうなぁ」


「セフレ…なんでしょ?山本がそう言ったんだから」


あ、そうだっけ……そうだったっけか?


だからか。ツナから絶対キスしてこない


「な、今日何の日か知ってる?」


「んー………俺達の関係が始まった日」


いたずらっ子な笑顔


「忘れないよ。宿題って口実で家に行ったらそのまま押し倒されて無理矢理されたこと。泣いても叫んでも山本はやめてくれなかった。痛かったなぁー」


首に絡み付きながら言う台詞じゃねぇのなー……


「はいはい。俺が悪かったのな」


「反省してないね。ね、山本………俺達はどういう関係?」


今度はツナから聞かれる。そうだなぁ


「俺がツナにちゃんと言ってないからセフレ」


「じゃあ関係壊れる可能性もあるんだ?」


ダメダメだな俺達。お互い進まない………いや、違う…


「ね、せっかくだし今日どっか行こ。今日は青空見えてるのに時々雨降ったりしてるけど」


ツナは離れて服を着て窓際へ行ってしまった。開けられたカーテン


俺は、煙草に火を点けた


「二人乗りのこと思い出したならチャリもいいよね」


「俺に乗ってどこまでもいけるってか?」


「うっわ下ネタかよ!!山本おっさんー」


もういい歳だよお互い


火を消して、俺も服を着てツナを後ろから抱き締めた

「………俺、天気雨って嫌いなのな。晴れてんのに…綺麗な青空見せてんのに雨が無理矢理その場に入って」


重ねてしまう


「そう?俺は好きだよ…だって、そういう現象が無ければ、青空と雨は一緒にいれないんだから。それにね」


俺の腕に、そっと手を重ねてきた


「………止まない雨も無いよ」


あぁ……そうだな


地面に根付いて動こうとしない俺を


必死で動かしてくれたのはコイツ


俺も……根付いた足を動かす努力をしよう


そうしたら………きっと、二人で進めるから


「……………ツナ、好き」


少し力を込めて抱き締めて、耳元で小さく…本当に小さく囁いた


「俺…お前のこと、すっげぇ好き……」


関係を壊してもいいかな?
お互い、いい歳なんだぜ


「山本…」


俺の力が少し緩んだのを感じて、こちらへ向き直った


そして、優しく、首に腕を絡めてきて


「……………誕生日おめでとう」


初めて、ツナからキスをしてくれた



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あとがき
もっさん誕生日おめでとおおおおぉ!!!!!!

これまた分かりにくい話を書いてしまいました……

チャリが進まない理由はもっさんが踏ん張ってるせい。なのに必死に動かしたつなたんに心引かれて少し足を浮かしたよみたいなね!!

あとは、つなたんは誕生日って分かってて宿題を口実に家に行ってプレゼントを渡したがってたんです

最後は、もっさんが好きと言ったことにより恋人同士になれたからつなたんは自分からキスをしたんです


こんな変な話書いてすみません
それでも私は山ツナ大好きです


2011.04.24



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