つにゃんこ宅で会議が起きたようです


注意書
パラレル
ツナと獄寺獣化
ディーノさん飼い主兼恋人
初第3者視点やってみました

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本日は日曜日。皆様はどの様にお過ごしになられますか?いつも通り規則正しく起きる方、思う存分寝る方、友達と遊ぶ方、様々な方々がいることでしょう

さて今回は、あるお家を覗いてみることに………

*

「……………てな訳なんだが。お前の家で飼ってやることできないか?」

こちらに神妙な顔をした金髪の青年が1人

「そうだね………」

こちらには無表情な黒髪の青年が1人

「「……………」」

そして不安そうな顔をしているなんとも可愛らしい猫が1人、とても目付きの悪い犬が1人

やがて、黒髪の青年が口を開きました

「……………いいよ。飼ってあげる」

「ほっ、ほんとかっ!?恭弥!!」

黒髪の青年こと、雲雀恭弥の一言により先程まではりつめていた空気が一気に和らいだ。特に一番喜んでいたのは可愛らしい猫、沢田綱吉だった

「よかったね!!ごくでらくんっ!!」

「は、はい…ツナさん……」

目付きの悪い犬、獄寺隼人は綱吉が手を取って喜んだ瞬間、先程とは打って変わって表情が和らぎ頬まで染めている。微妙な顔をしている気もするが恐らく気のせい

「じゃあ決まったことだし。早く帰るよ」


「本当ありがとうな、恭弥」

「別に、あなたの為じゃないよ。ただ僕の好みだっただけだ。さぁ、」

そう言いながら雲雀が肩を回した











「さぁ、帰るよ綱吉」

可愛らしい猫、沢田綱吉に

「ちょっと待てええええぇ…!!」

金髪の青年……そろそろ名を出しましょう。ディーノは憤慨した

「何でツナを貰ってくんだよ!?」

「は?何を言っているの?二匹飼えないから一匹貰えと言ったのはあなたでしょう?綱吉を貰って何が悪いの。僕は猫の方が好きだし更に綱吉が好きだ」

「何さらりと告白してるんだよ!?ツナは俺のなんだよ!!お前が持ち帰るのは獄寺だ!!」

「綱吉じゃなきゃ飼わないよ」

ここで意見の食い違いが起きてしまった。2人とも綱吉が欲しいため口論を続けている

そのきっかけとなってしまっている綱吉は最初きょとん、としていたがどんどん眉が下がり表情が険しくなりついに………



「……………もういいです」

「え?」

「は?」

綱吉は雲雀の手を振りほどき、立ち上がり、彼の元へと行った

「2人してそんなに獄寺君のこと邪険に扱って!!酷いです!!もういいです!!俺が獄寺君と一緒に出ていきます」

「え、ちょ、ま、え、つ、ツナ!!」

「ディーノさんなんて…ディーノさんなんて大嫌い…っ!!行くよ!!獄寺君!!」

「っ、は、はい…っ」

ディーノが混乱、雲雀が目を見開いて驚いてる中、綱吉は獄寺の手を引き、走り去ってしまった

「待てっ!!ツナ……!!」

大好きな飼い主の声にも振り向かず飛び出していってしまった





「ツナさん………」

(俺、すげぇ…しあわせものだ……)

こんなにも、他人から愛されたことの無かった獄寺にとって嬉しすぎることから溢れ出した涙

(信じてたのに…ディーノさんですら、あんな態度を取るなんて……)

信じていた人からの裏切り、大切な人を守れなかった悔しさから溢れ出す涙

前日の大雨は止み、本日の天気は晴天であったが、ここには確かに2つの雨が降っていて、2人の頬を濡らしていた

*

「大丈夫ですか?ツナさん…」

「えっ!?だ、大丈夫だよ!?」

「けど、息が上がっています。そろそろ歩きましょう、ね?」

何も考えず、ひたすら綱吉は獄寺の腕を引きながら走り続けていた。割りと遠くまで来ただろう、少しほっとした顔で歩き始めた

自分が泣いてるのを知って尋ねられたのかと思ったが、ただ体力を心配してのことだった。お互い泣いていたが恐らくお互い気付いてないだろう

「……………ごめんね、獄寺君」

「えっ!?な、何がですか?」

「………助けてあげられなかった」

己の悔しさからまた涙があふれでそうになる

「そ、そんな…!!っ、むしろ、俺は…あなたの気遣いと行動全てが嬉しかったです」

「俺…何もしてないよ……」

「いいえ、まず出会った日にあなたは俺の命を助けてくださった。それからの日々に楽しみをくださった。それだけでも大きすぎるのに、俺の生活を気遣ってくださった。それに…」

「それに……?」

「こんな野良犬、邪険に扱われて当然なのに、俺を、俺の存在を認めてくれたっていうか、必要としてくれたっていうか」

彼はとても、とても柔らかな微笑みを浮かべながら

「俺、こんなに誰かに優しくされたの初めてです。ありがとうございます」

せっかく隠していた涙。止めた涙。バレていなかったのに、綱吉は再び泣きじゃくり、獄寺へと飛び付いた
*

「………落ち着きました?」

「………」

真っ赤に泣き腫らした目で、恥ずかしさで真っ赤な顔で頷いた

「あ、じゃあ俺…」

「あれっ、ツナじゃね?」

獄寺が立ち上がりかけたところで、突然爽やかな少年の声が響いた

「…………たけしおにいちゃん」

「っ!?おいっ、どうしたその目!!あ、とりあえず飲み物買ってきてやるから、そこにいろっ」

(俺の台詞取られた…じゃなくてっ!!誰だアイツ!!ツナさんを呼び捨て!?え、むしろお兄ちゃんとか呼んだよな…?え、何だそれ何だそれ)

獄寺が混乱して頭を回している中、少年は戻ってきて飲み物を綱吉の目に当てながら背中をさすり、隣に座った

(何さりげねぇことしてやがるこいつ……)

「どうしたんだ?ツナ…」

悶々としながら再び鋭い目付きをし始めた獄寺を視界にも入れず少年はツナを構っている

「あのね………」

*

「ふーん、成る程ねぇ…」

声変わりもしており、長身、ガタイのいい黒髪の少年、山本武は先程までの話を聞いて納得した。因みに彼は綱吉の近所のお兄さんだ

「んで、ソイツがその獄寺って犬か?」

「ソイツって言うんじゃねぇ!!」

突然威嚇し始める獄寺。ここまで来たらお分かりだろう、彼は綱吉以外にはてんで態度が悪い。悪いなんてものじゃないだろう

「だから、俺悔しくなって飛び出してきちゃったんだ…」

耳と尻尾をしゅーんと垂らす綱吉をよしよしと撫でる山本。その横で威嚇する獄寺。何だか微笑ましい。そしてこの微笑ましい空間に再び声が響いた、が。今回は切羽詰まっているようだ

「ツナっ、こんなとこにいた…っ」

「っ、ディーノさん…」

いつもどこで遊ぶかは聞いてるから一ヶ所一ヶ所を念入りにそこら中探し回ったのだろう(決して方向音痴では無いと言ってみる)髪も乱れ息も上がっている

「…………何しに来たんですか」

綱吉は大分ご立腹の様だ。口調はキツくないものの耳と尻尾が逆立っている。そんな彼の様子を見ておどおどしつつもディーノは口を開き…

「あ、あのな、ツナ…」

「俺でよければ獄寺飼いますよ」


かけたところで山本が割り込んだ

「え?山本今……」

「俺んちでよければ飼いますよ」

衝撃の一言。ディーノはぽかんと、綱吉は目を輝かせている

「ほんとうっ!?武お兄ちゃん!!」

「あぁ!親父も普通に許してくれんだろうし、ツナの家からも近いし、俺んちで遊んだりしても別に構わないしいいことだらけだぜ?勿論泊まりに来たり夕飯食べたりもしていいのな!!」

「わぁいっ!!ありがとうっ武お兄ちゃん!!」

「助かるぜ山本…さんきゅ」

そして当の本人、獄寺は何だか初対面のいけすかねぇ野郎(雲雀も初対面でいけすかない奴だったが)の家に厄介になるなんざとか思いつつあまりにも喜ぶ綱吉の顔を見てどうでもよくなったみたいだ

(これ以上ツナさんを困らせちゃいけない。それに……それに再び一夜を過ごすチャンスができたってことじゃねぇか)

何か邪な理由が混ざっている

*

「じゃあごくでらくんっ、また明日ね!!」

「はいっ、また明日お迎えにうかがいます!!」

途中までは一緒に帰り、十字路に差し掛かったところで別れた


「………おい、山本とやら」

「とやらって何だよ、可愛くねぇな」

なんと。山本のトーンがさっきよりも低くなっている

「その可愛くねぇ俺なんざ何で飼う気になったんだよ」

「うーん、まぁ勿論俺だって可愛くて大好きなツナを持ち帰りたかったんだけどさ」

「……………」

「今、ツナの好感度が上がる行動って何だと思う?」

「っ、てめ…」

「誰も引き取らねぇお前を飼うことにした俺の好感度はさぞ上がるだろうな。ほら、さっさと帰るぞ獄寺」

(……………沢田さん、俺コイツと仲良くなれる自信が全くもってありません)

*


「な、ツナ…まだ怒ってる?」

「………」

「あ、あのさ。さっき言おうと思ったのは獄寺も飼うってことだったんだ。その、何とか切り詰めれば2人はいけるし…」

「………」

「……………俺はお前が誰よりも大事だから、お前だけは、手放したくねぇんだ」

「………」

「だから、その、えと…」

「もう、いいですよ」

「え…」

出ていく寸前と同じ台詞を言われて不安になるディーノを見上げた綱吉の顔は

「獄寺君もちゃんとお家ができたし、ディーノさんが、俺のことすごく大事に思ってくれてること分かりましたから」

「ツナ………」

「だから、その………仲直り、ですね」

少しバツが悪そうな顔をしていた

「………大嫌いなんて言って、ごめんなさい」

再び下を向いてしまい泣くのを堪えてるのか掠れた声でディーノの袖の裾をきゅ、と掴みながら

「──────……」

ぼそぼそと言った言葉はちゃんと届いたようで。ディーノは愛しい恋人を思い切り抱き締めることで、その言葉に応えた


こうしてつにゃんこ宅の騒がしい日曜日が終わりましたとさ!!因みに雲雀はと言うと




「ごめんね、ヒバード、ロール。新しい仲間が増えるはずだったのに駄目だったよ」

あの騒ぎの後すぐ帰った模様。残念がっているのが本気か冗談か、それはあなたのご自由にどうぞ…

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あとがき
第3者視点………とんでもなく難しかったです。きっとしばらくやらない←

書きたかったのはつにゃを持ち帰る雲雀さん、起こるディーノさん、獄わんこの腕を引きながら走るつにゃ、黒いもっさんでした

これも最初はギャグだったんですけどね…!!何なんだこれ!!

2010.08.29




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