嫉妬


私はこれを師弟サンドと呼ぶ
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今日はディーノさんとデートです


本当、一目惚れっていうか……ディーノさんってすごくかっこよくて、落ち着いてて、強くて…でもどこか抜けてて可愛いところもあったり(なんて)


ずっとずっと憧れで、いつからか憧れを過ぎてた。ただかっこいい、とかあういう人になりたい、とかそんな感情じゃなくて、会ったらどきどきしたり、次いつ来てくれるのかな、とか、「可愛い弟分」って言われる度に胸が苦しくなったり……


でもそんなこと言えるわけがなくて、ずっと胸にしまっておこうと思った……けど、だけど、


『ツナ、好きだ。弟分だからとかじゃなくて、沢田綱吉……お前が好きだ』


…………………思い出す度に顔が赤くなる。未だに信じられないけど、ディーノさんから俺に好きって言ってくれて。言われた瞬間は本当泣きそうになった。と言うより…泣いた……



(遅いなディーノさん…)


最近はお仕事やら修行やらでお互い忙しくて会えなくて、今日はやっとできた時間だ。久しぶりにデートだから緊張してしまう。デートって言葉は何だかくすぐったい…


(会ったら何話そうかな)


悶々と考えていたら突然視界が暗くなった


「っ!?……………………ディーノさんっ!!」


「ハハ!!バレちまったか!!」


分かりますよ。大好きな人だから……でも恥ずかしいから言えなくて


「わりぃな、遅くなっちまって……恭弥が中々手放してくんなくて」


あ…………
そっか、今日も雲雀さんと…修行、か………


「大丈夫ですよ!!雲雀さんは相変わらずなんですね。元気でしたか?」


胸がすごいもやもやする。でも、せっかく久しぶりに会ったのだから雰囲気を悪くしたくない。一生懸命笑顔を作って、話題に乗った


「……あぁ!相変わらずじゃじゃ馬だ。元気すぎても困るな」


それから、しばらく雲雀さんの話で盛り上がってしまい……どんどん辛くなる。


「そんで、恭弥ったらな!!」


楽しそうに話すディーノさん。今じゃ修行と言えどきっと俺よりも雲雀さんに会う時間の方が長いだろう。


「そうそう!あとなー……」


雲雀さんは美人…って言い方は変かもしれないけど綺麗な人で、強くて、比べても、俺が勝てるとこなんて1つも無くて


「本当困った奴だぜ!!」


なんて言いながらずっと笑顔だったディーノさん。せっかく会えたのに、今日は辛いよ。苦しいよ。ねぇ、ディーノさん。馬鹿だな、俺…………ちゃんと笑えてるかな?大丈夫かな?次はいつ会えるかな?次は楽しめるかな?

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「よぉ、恭弥」


「………………」


「昨日な、ツナとデートしたんだぜ!!」


「…いいからさっさと始めるよ。今日こそはあなたを完膚無きまでに咬み殺す」


「おっ、嫉妬か」


「五月蝿いよ…っ!!」


「ツナの奴な、昨日お前のこと聞いてきたんだぜ」


「ふーん。せっかく久しぶりに会えた可愛い恋人に他の男の話されてるようじゃ駄目だね。別れたら?」


「冗談言うな。」


むしろ更に愛しくなった


「俺って愛されてるぜ」


「…………馬鹿なんじゃないのあなた」


敵意むき出しだな…


「そんなにツナを取られたのが悔しいか?」


「っ!!」


おぉ、おぉ、図星だな。言った瞬間全力で向かってきやがった



『雲雀さんは相変わらずなんですね。元気でしたか?』


お前がいけないんだぜ?ツナ。目の前に俺がいるのに他の男の話振ってきて


悔しいから続いて話してたらどんどん表情暗くなって、笑顔がぎこちなくなって。何度抱き締めたくなったか


けどやっぱり悔しいからずっと話した。だってお前の口からあまり気持ちを聞いたことないんだ。俺だって、不安になるんだぜ?獄寺や山本みたいにずっと一緒にいれる訳じゃない。愛想尽かされてんじゃないか、って考えるんだ


「考え事してる暇あるの?」


「ツナのこと考えてる俺は更に強くなるぜ!!」


更に攻撃が荒くなった。思えば恭弥にも感謝なのかな?


『っ、あの、ディーノさん…』


『ん?どうした?』


『あんまり、こういうこと言いたくないけど…思いたくないけど…あの……っ』


『うん…?』


『……他の人の話、してほしく、ない、です』


『うん……』


『俺、おれっ、ディーノさんが大好きなんです…俺だけ見ててほしいなんてわがままなこと、分かってるんです。でも、でも……っ』


さすがにやり過ぎたかな〜……


『っ、すき、ですっ……でぃ…のさ……っ』


泣きながら、好きだって言ってくれた可愛い恋人を思い切り抱き締めた






「って感じで昨日のデートが終わってな〜。いやー久しぶりにツナから好きって言ってもらえたぜ!!」


「…………あなた本当に馬鹿だね。滅多に好きって言ってもらえないなんて別れたら?」


「お前はそればっかりだな」


まぁ渡さないけどな。俺かなり愛されてる自信できたし。この後もデートだ。勿論、昨日の埋め合わせ。あぁ楽しみだなぁ…今日は我慢しないで意地悪しないでめいっぱい愛してやろう


俺、意外と独占欲強いんだぜ?覚えておけよ、俺のかわいい可愛いツナ!!























「早く別れればいいのに…!!」

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あとがき
ツナもディーノさんも雲雀さんも皆嫉妬してるお話

師弟サンド大好きです。例えマイナーでも大好き!!もっと広まればいいのにな……

2010.07.23



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