flying goldfish!

「俺の話し聞いてる?」
「聞いてる聞いてる」
「じゃ、何の話だったか言ってみてよ」
「あれだ、金魚の話」
「ふぅん?」
「縁日で買った金魚が溺れたとかそういう話」
「違うよ。金魚が空飛んだって話」
「嘘嘘。そりゃ夢だ」
「本当だもん。ちゃんと羽だって生えてた」
「ついに頭湧いたんだな。可哀想に」
「むかつくー!何その反応!!」
「普通の大人の反応ですー」
「作家は人に夢を与える仕事でしょ!」
「現実を語る仕事でもあります」
「つっまんない奴」
「はいはい。いいからさっさと原稿仕上げちゃってくださいよ、先生」
「大人相手じゃ話にならないね。坂城君みたいになるなら大人になんてなりたくないなぁ」
「ちびっ子作家に何言われようが俺は何とも思わない」
「そーゆうのがムカつくー」
「はいはい」
「返事は一回」
「全く世話のかかる先生だな。明日までに原稿終わったら、松屋のドラ焼買ってこようと思ったけど、この分じゃお預けかな」
「坂城君」
「なんでしょうかね」
「ちょっと黙っててくれる」
「やっと本気になったのか」
「なったなった。明日には終わるからドラ焼よろしく」
「はいはい」
「豆大福もつけて」
「………(ホントに子供だ)」






作家先生は12歳の天才少年。
担当は29歳独身青年。






飛ぶ金魚
>>080318





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