4 ブブブブブ 机に置いていた携帯が着信を知らせる。今はもう11時という遅い時間だ。こんな時間に電話してくる奴は一体誰なのだと、少々不機嫌気味に携帯を開く。 その画面にうつる名前を見た瞬間、自分でも驚きの速さでボタンを押し、耳に携帯を押し当てる。 「もしもし薫ちゃん!?どうしたの、こんな時間に。まぁ、何時でも薫ちゃんならオールおっけーなんだけど!!」 『……今日、早乙女学園に行ったらしいね。』 「…ぇええっ!?なななんで知ってるの!?」 『翔ちゃんに会ったって?何で僕に連絡くれないのさ!?僕も翔ちゃんに会いたかった……。』 「それは申し訳ない事をしてしまったね。次はちゃんと連絡するよ。一緒に会いに行こうって。」 『絶対だよ?夜鈴にも久しぶりに会って話ししたいし。』 「………わ、わ、ありがとぉぉぉ!私今の言葉を聞いて動悸が止まらないよっ!!どうしよう…?」 『はははー、おやすみ。』 ブチッ、と勢いよく携帯を切った音が聞こえた。そんなに拒否しないでほしい。薫ちゃんが可愛すぎるのがいけないんだし。 とと、そういえば明日から早乙女学園でお仕事だっけな。準備準備。 ―――――――――― ――――――― ―――― コンコンコン 「失礼しまーす。」 翔ちゃんに職員室だろう部屋を案内してもらい無事に目的地につくことが出来た。 ちなみに翔ちゃんはする事があるらしく、先程別れたばかりだ。 「えっと、先程連絡を入れた夜鈴ですが。」 「いやーん!かわいいーーっ!!」 「うぐっ!!??」 桃色の何かが私を絞め殺そうとして……いる。誰か…。 「おい、林檎。離してやらねぇとそいつ死にそうだぞ。」 「あら、ごめんねぇ。」 「い、いえ。」 死にそうでしたが至福の時でもありました。あ、いえ。何でもありません。 桃色の正体は月宮林檎、その人だった。やっだ美人。もう一人のカッコイイ人は日向龍也だ!!男気オーラが素晴らしいですね! 「頼みたい事はこの書類に纏めてある…らしいから、これ見といてくれ。」 「…??お二方は内容をご存知ではないのですか?」 「そうなの。シャイニーがまたまた勝手に進めちゃったからぁ。」 にこにこ、そんな効果音がまさに貴方の為にあると言いたいぐらい可愛い笑顔を向けられる。 林檎さんの笑顔につられて私の口角も自然に上がる。あぁ、この学園はなんて良いところなのだろうか。…さておき、さっさと内容見るか。 ペラ 簡単に言えば、最近校則を破る人が増えているらしいのだが、シャイニー早乙女さんも最近はする事が多く、このことにまで手が回らないらしい。そこで私の出番。ということなのだが… ――――分からん。 「えと、私は何をすれば…?」 「つまりだ。恋愛禁止という校則を破っている奴を見つけてほしい。出来れば説得して別れてもらいてぇんだが…まぁ、そこら辺は俺達がするから、見つけたら報告してくれればいい。」 「何で龍也、知ってるの?」 「昨日聞いたからな。」 「えぇ!何それぇ、アタシだけ知らなかったってこと!?ひどぉい!」 腕を組み、ぷくぅと頬を膨らませて怒る林檎さんは可愛い。鼻の方は…よし大丈夫だ!例の赤い物はまだ出ていない。決して変態なわけではないぞ。 |