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「翔ちゃん翔ちゃん翔ちゃんんんんっ!」

「く、苦し……っ」

ぎゅうぎゅう、体を思い切り締め付けられ失神寸前。

「まさか翔ちゃんに会えるなんて!運命のようだよっ!あぁ、どうしよう。今のこの高揚した気持ちを押さえ付けられない。それをどう表せばいいのかも分からないよっ!!」

「表さなくていいからっ………離せ!」

はっきりと言うと、何事もなかったかのように離れる相手。もう少し早く離れて欲しかった。というかまず抱き着かないでほしい。

「あの、あなたは一体……?」

暫し呆然としていたが、いち早く正気に戻ったトキヤが騒いでいた相手に問う。すると視線がこちらに向き、

「え……。」

「……?」

ぱちぱち、瞬きを2、3回繰り返した後に質問に答える。先程の沈黙は何だったのか、トキヤは疑問に思うが、今はそれよりも気になることがあるためにその考えを頭の隅にやる。

「私は夜鈴。年は17だ。……女だぞ。」

女だった。その事実に驚く面々。だがしかし、どちらともとれる綺麗な顔だったために、特に反応することも無かった。

「この学校には仕事…というかバイト?で来ているんだ。にしても、驚いた。どうしてこの学校はこんなにも広いんだ。お陰で迷った。」

「バイトって……もしかして、あっちのか?」

「そうだよ翔ちゃんっ!でも正直翔ちゃんに会えるとは思ってなかったんだよ。こんな広いし。」

でも会えたっ!!!

声を張り上げ、もはやうるさいくらいだ。しかし、まだ気になることは多々ある。

「あの、翔君とはどういったご関係なんですか…?」

「翔ちゃんとの関係?私は翔ちゃんのお姉ちゃんだ「違ぇよ!!」…何でさ。昔はよく“夜鈴姉さん、遊ぼー”ってついて来てたじゃないか。」

「いつの話だよっ!?」

「まぁ、翔ちゃんならどんなふうに呼んでくれても嬉しいけど…。」

「あー…、夜鈴は親戚なんだよ。」

「それに幼なじみだよねっ!」

「まぁ…そうだな。」

言われてみれば、翔と何となく雰囲気は似ている気がしないでもない。特徴的な所は全く一緒なのだ。帽子、金髪、碧眼と。

「しかし、その親戚の方が何故此処に?仕事、と言っていましたが。」

「あぁ、実は私、探偵をやっているんだ。」


因みに突っ込みは受け付けないぞ。







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