01
『 あっっっつ!? 』
「 そんなイッキに食べるからだろ 」
「 しゃけ 」
珍しく真希ちゃんと棘ちゃんとパンダちゃんの4人で任務があって終わらせた帰り道。
コンビニに寄って肉まんを買い食べ歩きをしながら少し蒸し暑くなってる帰路についた。
『 うへぇ…舌火傷したぁ。パンダちゃ~ん、水くださぁい 』
「 慌てて食べるから火傷するんだぞー 」
そう言いながらもパンダちゃんは私の鞄に入ってあるペットボトルを手渡す。
こんな味も無い水が美味しく感じるなんて人間とは不思議な生き物だ。
いや呪霊よりかはマシなのだが。
「 菫さん!! 」
『 ん~? 恵ちゃんだぁ! 』
ツンツンとした頭が特徴の男の子がこちらに駆け寄ってくる姿は彼の式神の玉犬の様で。
やはり飼い主に似るというのは間違いではないかもしれない。
『 そんなに急いでなんか急用? 』
「 いや、その、たまたま見えたから… 」
「
ツナマヨ 」
「
照れてるな 」
「
んな 」
「
コソコソと聞こえてますよ!!!! 」
そんな彼の背中には少し大きめのリュックが背負われている。
はて、今から何処かに向かうのだろうか
『 任務? 』
「 っ、はい。特級呪物の回収に 」
『 特級呪物かぁ……特級呪物!? 』
「 悟のパシリか 」
「 おかか 」
「 頑張れ恵 」
「 平気です。回収だけだし 」
『 恵1人で行くの? 』
自分でも思った以上に低い声が地に響く。
あぁ、私 今 怒ってるんだ。
そりゃ怒りたくもなるよね、仕方ない。
簡単に回収だけって言うけれど、特級呪物の周りには呪霊が集まりやすいのだから。
あの日から10年経つと言うなら、その特級呪物は、
「 1人で行かすわけないでしょー。まだ2級なんだから 」
『 ッ、悟、くん 』
「 本当に相変わらず感情で呪力出しちゃうんだからさぁ。上がビクビクしてるよ 」
いつ爆発するのかってね、と笑いながら彼は私の頭を撫でた。
一瞬、本当に一瞬だけ、あの人に見えたことは内緒にしておこう。
「 掌握者様がそんなんじゃジジィ共に笑われっぞ 」
「 こんぶ! 」
「 掌握者様ってナリじゃないけどな 」
真希ちゃんに左頬を抓られそれを見守るパンダちゃんと棘ちゃん。
彼らは上の人間と違って私を人間として扱ってくれる、大切な人。
恵ちゃんも、またそのうちの1人。
『 …ごめんね、恵ちゃん。私の呪力に当てられてない? 』
「 大丈夫です。菫さんが泣かなくてよかった 」
頬に少し冷えた手を添えられ見つめ合う。
似てるなぁ、年々父親の面影が強くなってく恵ちゃんに少しだけ感じた小さな思い。
ご め ん な さ い
20201216
最後の意味はきっと幼い貴方達から父親を奪ってって意味なんだと思う。
私にとって伏黒恵とは子犬みたいな子です。