04
「 菫ってばずっと恵の部屋にいたの? 」
『 うん、心配だったからねぇ 』
「 そっか。まぁタイミングも良いし…ほら悠仁! 挨拶! 」
虎杖悠仁という少年は背を押され1歩踏み出す。
目が合った途端に思わず傾げてしまった首。
だって私、この子知ってる。
『 …私と会ったコトある? 』
「 ないっス 」
『 ありゃ 』
少しくらい思い悩んでくれてもいいのでは、と思いながら即答に苦笑いをしてしまう。
物覚えは悪いほうじゃないんだけれどな。
似ている子と間違えたのかもしれない。
「 …つーか、空室なんて他にいくらでもあったでしょ 」
「 だって賑やかな方がいいでしょ? 」
「 授業と任務で充分です 」
ありがた迷惑だ、と悟君に反発する恵ちゃんを見て頬が緩む。
よかった、恵ちゃんが楽しそうで。
「 まっ!! いいっしょ!! それより明日はお出かけだよ! 3人目の1年生を迎えに行きます! 」
『 …
また恵ちゃんに怪我負わせたら許さないから 』
「 あっ、先輩! 伏黒の怪我は俺のせい! 」
『 ……悠仁ちゃんのせいじゃないよぉ。このクズのせいだから 』
「 相変わらず恵に対して過保護だねー。そんなに心配なら明日、菫も来る? 」
明日…明日は…
「 菫が祓い屋の仕事休みだったら映画行かない? 」
『 明日は先約がいるんだぁ 』
「 誰 」
『 悟君の知らない人 』
「 だから誰 」
『 秘密 』
「 …恵 」
「 菫さん、誰ですか 」
恵ちゃんを使うなんて本当にズルい人間だなコイツ。
それでも笑顔で『 教えない 』と返事をした私も私だが。
2週間ぶりの順平なんだから何が何でも仕事しないと決めている。
どんな服がいいかな、映画なら白色の方がいいのかな。
『 真依ちゃんに連絡しとかないとなぁ 』
いつも私が順平と出掛ける時の服をビデオ通話で助けてくれる、大切な友人。
交流会とかになると敵になっちゃうのが本当に残念だ。
『 それじゃ、またね! 悠仁ちゃん、恵ちゃん! 』
「 アレ、僕には!? 」
20201223
一緒に連れて行っても良かったけどそうしたら順平と絡ますタイミングが見つからない。
てか五条と忌み子ちゃんは共依存してると思う。忌み子ちゃんは家族愛≠ナあったとしても多分五条は違うな…(・ω・)