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津美紀ちゃんの事出てるので注意
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『 め…ぐみ…ちゃ… 』
「 菫さん、 」
恵ちゃんの呪力を感じて山を駆け下りる。
悟君は後から帰ってくるらしいけどマジで1回痛い目見ろって今思ったから今すぐ1回痛い目見てこい。
『 怪我、どうして、 』
「 あー…ちょっと…しくりました 」
『 …痛い、よね、ごめんね、悟が、 』
悟が居たのにこんな怪我させるなんて。
術師に怪我は付き物かもしれないけれどお前最強名乗るんだったらちゃんと生徒くらい守れよバカ。
「 …菫 」
『 っ、ごめ、早く部屋行って反転術式で… 』
「 泣くな、いや俺が泣かせたみたいなもんなんだけど、」
敬称が抜けて同級生に話す様に言葉を掛けてくるけれど優しい手つきで涙を拭ってくれる恵に幼い時を思い出した。
私の誘拐事件終幕から数日後に紹介された伏黒恵という存在は今では私の中で大きなものとなっている。
中学に上がる頃から既に呪力の制御は出来ていてどうせならと言うことで恵の姉である津美紀と同じ学校に通い恵とも仲を深めていった。
『 あの頃と私、変われてないね 』
「 変わらなくていいんだよ、お前は 」
高専の1年生になった時に津美紀が呪われ私が大号泣した日で恵が呪術師になると決意した日。
私が恵に変わるからと誓ったこの時に凄いかっこいい言葉を掛けられたのは今でも覚えている。
「 菫を泣かす呪霊は俺が全部祓う 」
私が泣くことを嫌がるのは昔からだったけれどあんな風に言われたのは初めてだったから凄い嬉しかったのだ。
だから今でも覚えている、彼の誓いを。
『 部屋、行こっか。早くその怪我治そ? 』
「 …おう 」
これは悟君も知らない、私と彼の秘密である。
20201221
後々この伏黒恵の誓いがかっこいい事に繋がるといいな…いや繋げてみせるけど。
かと言って恵ちゃんがオチではないし決めてない。