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嘘などつけない生き物のくせに



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「 なんで…なんで永久まで!? 」

『 ……私のところにも文は来ていたわ。その数日後に会ったの獪岳と 』


獪岳は私に血を与えた。鬼舞辻無惨に怒られなかったかと聞けば小言は言われたらしいが鬼殺隊での私の実力を話せばお咎めは無かったらしい。本当に莫迦な男だ、私なんかを助けるなんて。


「 どうして、なんで、獪岳のせいで爺ちゃんは腹を切ったんだよ!? 」

アンタのせいじゃない! 獪岳が鬼になったのも! あたしが鬼になったのも! 』


アンタがお爺様の前に現れて後継を得たから、アンタが私の好意に気づいていながらも他の女の名を呼ぶから。だから獪岳は鬼になってまで力を手に入れようとして私は、私は──────────。


「 ねぇ、永久。戻ろう? 禰豆子ちゃんっていう鬼がいるんだ、けど俺達と戦ってる! きっと永久だって戻れ「 うるせぇなァ… 」今お前に話しかけてないんだけど 」

「 んなことどうだっていいんだよ! 永久が自分で鬼になると決めたことにはなァ! 」

『 …そうね、どうでもいい 』


呼吸を乱すな、大丈夫だ、全て上手くいく。獪岳に動きを合わせろ。それだけで助かるのだから。


「 お前は手を出すんじゃねぇぞ 」

『 え、併せ技やらないの 』

「 こんなカス、俺だけで十分だ 」


それからは戦う姿をただ眺めた。何か言い合っていたけれど正直どうだって良い。確かに私達は善逸のせいで鬼になったけれど、私本当はもう怒ってないの。獪岳に会って鬼になったのはアンタを死なせない為。どうせもう音で気づいているんだろうから何も言わなかったけど。


獪岳を背後から抱きしめ落ちていく善逸を見つめる。ねぇ獪岳、アンタ本当にこれで幸せなの?なんて聞いたらきっと満足だとか言うんだろうな、分かりきってるこの二人のことなんて。


『 善逸、殺れ 』

「 はっ? まさか、永久、 」

「 …ごめん、 」


善逸の瞳に涙が浮かんだのがわかる。本当に泣き虫なところは成長してないのか。そんなところも好きだなあ、なんて思いながらこの身体は灰になっていく。


『 獪岳を懲らしめましょ! 』

「 怒らないかなぁ…? 」

『 怒るでしょアイツなら。けどいいの! 兎に角私が獪岳を抱きしめたら善逸はこの雪玉をアイツに投げるの! いい? 』

「 失敗して、永久に当たったらごめん… 」

『 良いわよ別に。あの莫迦に当たるなら、 』


『 私に当たることなんて大したことないのよ 』

「 ねぇ、永久、俺、愛してたよ、 」



キミのこと



20201104



唐突に始まって唐突に終わる。
獪岳と一緒に死にたいけどどうしたらいいかと考えた結果コレ。
本当は両片想いの二人だといいな。次は獪岳くんを倒すやつ書きたい。


title…お題bot様

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