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縛られて降伏



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自分に運命の番がいると気づいたのは最終選別の試験直前。その番が生き残ったと悟ったのは試験後。そして番が━━━━━━━━━


男であると分かったのがつい昨日のこと。


『 確かにあの場に女の子は一人しかいなかったもんな…そりゃ男の方が確率たけぇーわ… 』

「 永久! おはよう! 」

『 おはよう、炭治郎 』


僕の番は常に長男パワー炸裂中の竈門炭治郎、十五の少年。対する僕は三兄弟の末っ子パワーが無意識に発動する藻南永久、今年十五になる。そりゃ自分の番がここまで完璧なのは有難いけれど問題はそこじゃない。お互いが鬼殺隊に所属しているということ。炭治郎もそこは気にしていたみたいで昨日唐突に言われた言葉が未だに脳内を駆け巡る。


「 永久 鬼殺隊を辞めてくれないか? 」


『 ねぇ、炭治郎 』

「 ん? 」

『 …僕、鬼殺隊辞めなきゃ…だめ? 』

「 うん、辞めてくれると俺は安心だ! 」

『 あー…そう…そっか… 』


多分辞めてほしい理由はきっと心配だから。僕も炭治郎だとわかった時に一番に思ったことだから仕方ない。でもいざ辞めてほしいと言われるとすぐに返事が出来ないのが現実であって。


『 僕も頑張るから、炭治郎と一緒にいたいなぁ…なんて 』

「 ……気持ちは嬉しいけど…やっぱり俺は心配だから永久には藤の家紋の家で働いてほしいと思っちゃうんだ 」

『 うっ…そっかぁ… 』


これでも蜜璃様の継子なんだぞ! とは言えない。言ったところでどうせまた丸め込まれるのがオチだ。


「 永久 一緒に戦いたい気持ちはわかる。でも俺は、藤の家紋の家でおかえり≠チて言ってもらいたい。出来ることなら毎日、でもそれは叶わないから 」

『 せめて蝶屋敷がいい… 』

「 …そうだな。後でしのぶさんに相談してみよう! 」


結局何も言わなくても丸め込まれてしまった。こうなるとは薄々わかっていたけれど。蜜璃様ごめんなさい、貴女の後を継げそうにないです。どうやら僕は、とんでもない男が運命だったみたいで。



20201031


意地でも戦場に出さないぞ炭治郎は


title…お題bot様

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