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そして始まった柱合会議。先程村田という庚の隊士が来ていたが誰だろう村田君って内心思っていたことは内緒。にしても那田蜘蛛山で隊士をかなり失っている。十二鬼月がいたとはいえ流石に減りすぎだろう、なんでも癸の隊士に助けられたそうじゃないか。俺の
継子なら一人で倒せたろうに。
「 皆の報告にあるように鬼の被害はこれまで以上に増えている。人々の暮らしがかつてなく脅かされつつあるということだね。鬼殺隊員も増やさなければならないが、皆の意見を 」
弱い者を無駄に増やしても仕方ないのでは。そりゃ全員が全員俺達柱や継子のレベルになれって言ってるわけじゃないけれど。でも流石に庚で十二鬼月ではない鬼に殺られるとね、庇いようがない弱さだ。
「 今回の那田蜘蛛山ではっきりした。隊士の質が信じられないほど落ちている。ほとんど使えない 」
『 不死川に同意。自分も何人か隊士を見てきたけれど逆に
アレでよく今まで生きてこれたなと思うよ 』
「 フンッ。そもそも育ての目が節穴だ。使える奴か使えない奴かくらいは分かりそうなもんだろうに 」
『 まぁ皆ご高齢の方だからな、目が見えてないんだろう 』
「 (相変わらず毒を吐く姿もかっこいいわ…!) 」
相変わらず蜜璃からなんだかむず痒い視線を送られてくるのだけれど俺の言葉に凄く頷いているから同意という事なんだろうか。
別の意味が有れば本当に申し訳ない、分からないもんは分からないから。
「 昼間のガキはなかなか使えそうだがなぁ。不死川に派手な一撃を入れていたし見込みがある 」
『 あの子俺の弟弟子になるんだぜ。ね、義勇 』
「 …はい 」
「 へぇ。そりゃいい! 継子にすんのかァ? 」
『 ハンッ、俺と全く同じ型が使えたら考えるさ 』
ま、使えるわけないんだが。俺の靈の呼吸は水の呼吸の派生であるが初代は俺だ。簡単に言うと前例がない話。今の継子は派生も違うがなかなかに面白いから継子にしている。他人への憎悪が深い分もしかしたら俺より凄いのが使えるかもっていう淡い期待を添えて。
「 話を戻しますが、人が増えれば増えるほど制御統一は難しくなっていくものです。今は随分時代も様変わりしていますし 」
「 愛する者を惨殺され入隊した者、 代々鬼狩りをしている優れた血統の者以外にそれらの者たちと並ぶ…もしくはそれ以上の覚悟と気迫で結果を出すことを求めるのは残酷だ」
確かにそうだ。最近の奴等が何を目的にして入隊しているのか知らないが下衆な事を考えている奴には必ず天罰がくだる。それはもう惨い殺され方をするのだろう。綺麗になんて殺されない。分かるよ俺には、天と地を司る刀を持っているのだから。
「 今 ここにいる柱は 戦国の時代…始まりの呼吸≠フ剣士以来の精鋭たちが揃ったと私は思っている 」
御館様はそう仰ると自分達の名を呼び願いを口にする。床に置いてある刀が僅かに揺れた気がした。
20201116
俺の刀を前に願いを口にしてはいけないよ。
それは呪いとなり使用者と祈願者を蝕むのだから。
最期は刀にナニカを吸われるんだって。