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ドォォォン
可愛い伝ちゃんを少し遠くから見守っていると村中に響き渡ったであろう爆破音がした方へ一緒にいたきはちと顔を向け口を開いた。
『 …あそこって…橋があった… 』
「 あぁ、橋を落とすって言っていたよ 」
『 ふぅん、そ 』
隣に座る彼に軽く返事をしてまだ頑張って働いている伝ちゃんへ視線を戻した。
あんな重そうな砂袋を一人で…あ、左吉が来たけどまだ二人とも小さいのに危ないわ。
何も知らない人達は手伝えって思うかもしれないが手伝おうとしたら…
「 ねぇ様は戦には備えて休んでください! 」
「 そうですよ! 実践はねぇさんが頼りになってしまうので… 」
なんて伝ちゃんと左吉に言われて強制的に此処に座らされた。あの子達曰く此処は確実に日が射さないらしい。
大人しく座っていると突然隣に居座ったのが綾部喜八郎だ、私が言えることじゃないが働けお前、兄さんがいないからってサボってんじゃないよ。
『 ……早くて明日かな 』
次々と増えていく気配に自分でわかるくらい大きな溜息がでる。
この子達が怪我しなければそれでいいけれど、なんて思う私は少しは変われたのだろうか。
『 もうすぐ日も暮れるから休んどけば? 』
「 陽衣は? 」
『 今日一日中寝てたから平気 』
片手で手を振り見張りの位置へ向かおうと脚を動かそうとしたらそれは叶わなかった。
何故かきはちに腕を掴まれているからだ。
いい加減仕事させてくれ、なんて。
「 一緒に見張りやろうよ 」
『 ……、い ・ や! 』
「 じゃあ何処にいるかだけでも教えて 」
『 はぁ? 』
私が何処に居ようが関係ないだろう。
あーもしかしてこれは、学園長に見張れと言われているのだろうか、だったら勘弁してほしい。
ぷらいばしーと言うものが無いのか。
『 夜の見張りの配置は柵全土。相手が此方に撃ってき次第中央配置 』
「 ……ぶらっく企業だ 」
『 よく気づいたわね 』
中央配置なのはすぐ何処にでも行けるように、夜の見張りも同様である。
それに中央にいれば気配がわかりやすい。
何処に増えたのか、何処から来てるか、とか。
きはちから手をそっと離し気持ちを切り替えた。
この子達を守るために。
『 …大丈夫 』
20201202
三治郎「 陽衣おねぇちゃんって気配を探るのが忍術学園一上手いんだよねぇ。この前迷子になった時すぐ見つけてもらえたんです、えへっ 」(いつかifで書きたい)
八左ヱ門「 三郎が俺に入れ替わってもすぐ気づいてたしな! 他の奴等は気づかなかったっていうのに大したもんだぞ、ホント 」(いつかifで書きたい)
虎若「 曲者とか間者とかすぐ気づきますよね。父ちゃんの鉄砲隊に間者が入った時も誰よりも早く気づいて照星さんが感動してたんだよなぁ 」(いつかifで書きたい)