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恋はベルを鳴らすけど



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此方の番外編



「 熊なんかいらないんだけど!? 」

「 陽衣からのお土産だぞ! 有難く受け取れ 」

「 嬉しいけど嬉しくない! 」


忍務から戻ってきた兵助が何故か熊を俺へのお土産にと渡してきた、新手の嫌がらせか。
きっと冬眠の準備中だったのであろう丸々とした熊は自分よりもはるかに大きく、一緒に忍務に行った陽衣ちゃんを待つ三人の顔も青ざめている。


「 た、立花先輩いります? 陽衣ちゃんからですって 」

「 熊なんていらん。おい、久々知兵助! お前まさか陽衣をほって熊と戦ってきたんじゃないんだろうな? 」

「 そんなことしませんよ!? この熊、陽衣が首の骨をクイッと折ったんです 」


村人が襲われそうになっていたらしくそれを助ける為に陽衣ちゃんが退治したそうで。
あの子まだ三年生なのに力どうなってるの?


「 その熊を退治した陽衣ねえさんはどこなんですか? 」

「 村人を家に送ってくるって言ってたからもうすぐ帰ってくると思うけど… 」

『 ただいま。皆どうしたの、こんな入口につっ立って 』


兄である立花先輩より少し長めの髪を揺らして俺達を交互に見つめる少女と目が合うと心臓がチクチクした、なんでだろう。


「 ねえさん! おかえりなさい! 」

『 ただいま、藤ちゃん。こんなに手が冷たくなるまで待っててくれたの? 』

「 今日テストで一番をとったのでお見せしたくて! 」


まだ成長期が来ていない藤内や喜八郎や俺たちより少し背が高い陽衣ちゃん。
兄妹揃って髪もサラサラだし美形だし背丈もスラッとしているのがとても羨ましい。
でも目は先輩より優しく女の子らしい目だとは思う、たまに笑いかけてくれるあの目が可愛い。


『 勘右衛門は? 兵助待ちだった? 』

「 あっ、そうだ! 兵助大変だよ! 雷蔵が熱出しちゃって明日の実習なんだけど…! 」


雷蔵が熱を出している事を兵助に伝えながら横目で喜八郎と話す陽衣ちゃんを見た。
うーん、やっぱりかわいいんだよなぁ。
忍たま長屋にいる唯一の女の子ってせいもあるかもしれないけれど自分にとっては可愛いのだ。


『 ねぇ、勘右衛門! その熊どうする予定なの? 』

「 え!? 本気で俺用なの!? 」

『 そうだったけど…どうもする予定ないなら食堂のおばちゃんにあげようかなって。なんかいい感じに熊肉のご飯作ってくれそうじゃない? 』


少し我儘な所もかわいいんだよな、なんて。
ってなんか薄々感じてたけどきっとこれって完全な盲目ってやつなんだろうなぁ。
俺も兵助の事言ってらんないや。



20201214



昔の陽衣ちゃんは若干だが涼宮ハ○ヒみがある。
だとしたら久々知はキ○ンか…!?ってなったけどこれを見た感じだとキョ○は尾浜かも。
二年生の藤内は昔は「姉さん」じゃなくて「ねえさん」だったのです(こここだわりポイント)


title…切符 様


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