セージ | ナノ

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『 …で、アイツらはどうする気なの? まさかみすみす逃すなんてしないわよね? 』

「 それはしない。学園長を狙っての潜入で間違いはなさそうだしな 」

『 ……とっとと息の根止めればいいじゃない 』

「 これだからバーサーカーは 」

は?


三郎と陽衣ちゃんが言い合ってるのを横目に対処法を考えている俺、尾浜勘右衛門。
陽衣ちゃんはどうやら過去に命を狙われたのが相当頭にキてるみたいで手裏剣を片手に様子を伺っていた、兵太夫か伝七でも巻き込まれたのだろうか。
は組の子達はこの子達でい組の彦四郎に説教しているし。


「 よぉーし! 保健委員会に任せてもらおう! 」

『 乱太郎、策はあるの? 』

「 はい! 我が保健委員が解説した模擬店…幸運食堂にご招待する! 」

『 名前からして不運食堂じゃない 』


『 ねー? 』と兵太夫の頭を撫でている彼女の横から顔を出した金吾が二人を指さす。


「 もしかして霞扇の術を使うつもりでは!? 」

「 ねぇさんの得意な術ですね! 」

『 得意だけど…アイツらの扇子さっきどっかで見たような… 』

「 あの扇子ならさっき小松田さんのお兄さんが出した扇子屋さんで買ってたの見たよ 」

『 あぁ、だから見たことあるのか 』

「 ややこしい時にややこしい店を出さないで欲しい! 」


にしてもどうやって奴等を幸運食堂へ導くかだ。
一般的な考えなら人混みに紛れて学園長の囲炉裏へ近づくに違いない。
かと言って案内を付けるにしても呼び込みが得意な陽衣ちゃんは顔割れてるしっていうか命狙われてるし。


やっぱり息の根止めた方が早いんじゃん

「 …ねぇちゃん! 僕行くよ! 」

『 大丈夫なの? 』

「 もっちろん! これでも忍たまなんだから! 」


手負いになった事があるからか心配そうに兵太夫を見つめる彼女に胸が痛む。
そしてそんな兵太夫に彼女はある物を手渡していた。


『 気をつけてね 』

「 勿論! 行こう、乱太郎! 」

「 うん! 」

『 …心配だなぁ… 』

「 ねぇ陽衣ちゃん。今何渡したの? 」

『 ……人が吹っ飛ぶ物 』

「 え 」


この子何て物を持たせるんだ。



20210221


久しぶりだからとても緊張してる

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