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how to コンドーム。



【Harry go round 7】




「いいですか三蔵。貴方は僧侶です。唯でさえ女性に手を出してはならない身分では…まあそれはいいです。置いておきましょう。それよりも大事な悟空に対して避妊も満足にしていないとはどういう事ですか!?」

怒りの炎を灯した緑の眼は、鋭く目の前の最高僧を睨みつけた。
事の発端は、先程の悟空の外出し宣言。三蔵が止めるも、時既に遅し。
悟空は何の躊躇いもなく外出ししているから避妊は完璧だと言ってのけたのだ。
地獄耳の異名を持つ八戒の耳には充分届いていたが、更に驚愕すべきはその後の三蔵の一言「避妊なんざ面倒臭ぇ」。
当然烈火の如く怒り出した八戒を、止める術は誰も持ち合わせてはいなかった。

「仕方ねぇだろ」
「仕方なくなんかありません。避妊の知識があるんですからキチンと避妊するのが貴方の役目でしょう!!」

バァン!と机を叩く八戒を、悟浄と悟空は身を硬くして見つめた。
悟空に至っては怯えきって、まるで自分が怒られているように眼に涙を溜めて小さく震えていた。
それに見かねた悟浄は、少し溜め息を吐きつつ、怒りの八戒へと恐る恐る声を掛けた。

「八戒、悟空が怯えてる」
「あ…ええ。すみません悟空。僕が怒っているのは三蔵に対してですから、貴方は悟浄と少し外してもらえますか?」
「う…うんわかった。…八戒、三蔵をあんまり怒らないで…」
「…ええ、分かりました。」

ビクビクと八戒に言葉を告げると、悟空は隣の部屋へと逃げるように消えて行った。
それを苦笑気味に見、八戒は悟浄に「悟空に手を出したら殺します」の視線を投げかける。
鬼を二人も敵に回す気はさらさら無い、とばかりに悟浄は笑い、悟空に続き部屋を出た。
悟浄が後ろ手で扉を閉めるのを確認すると、八戒は三蔵ににこりと笑い掛けた。

「貴方の心配ばかりですよ悟空は。愛されてていますね」
「……ああ」
「貴方も悟空を愛しているならば、最低限の知識は身に付けて当然ですよね。三蔵。」
「……あ、ああ」
「さ、貴方には今から正しい性教育をみっちりと受けて頂きます。」

鮮やかな笑顔に、三蔵は思い切り肩を落とした。



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