一昨日からじめりだした空気は、今日になってもまだぐずっている。春風にでもフられたんだろうか。ぐずってるだけならまだしも、時々耐えきれないという風に大泣きするもんだからかなわない。

このあたりはもう梅雨入りなのか?
ここのところ忙しくてテレビを見る暇も新聞を読む暇も無い。

雨は嫌いじゃないけれど、紙が湿気って墨汁が滲む。今さっき付けペンをつかうのをやめてしまったところだ。アナログ派の心境だって、空模様と比例して陰鬱な時期である。
これだけ湿度が高いとペン先を洗いにいくのも億劫だ。
「ああ、いけない。また錆び付かせてしまうなぁ…。」なんて思いつつ、湿気ってぺしゃんこになった万年床に倒れ込んだ。

とりあえずは、頭の髄まで腐ってしまいそうなもやもやの空気に、どっぷりと浸かってみようと思う。散々頑張ってきたせっかくの休日なんだし、ちょっとくらいだらけても文句は言われるまい。

そんなことを思った瞬間、窓の外で、少しだけ雨足が強まった。




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