シズオは、犬でした。
シズオは、金色の毛並みを持つ、大きな犬でした。
ピンと立った耳は凛々しく、深く美しい漆黒の瞳はどこまでも鋭く、時折吐きだす鳴き声は雄々しく。
シズオは、そんな強く逞しい犬でした。
シズオはその朝、いつものように小屋の中で目を覚ましました。
冷たい朝の空気を毛皮の向こうに感じながら、寝ぼけ眼でむくりと起き上がります。それから、その大きな身体をいっぱいに伸ばし、うぅんと欠伸をしました。
それからブルブルと体を震わせ、シャキリと立ち上がって小屋の外へと足を踏み出しました。
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