■ 愛を貴方に。

季節は冬、
そして12月25日...今日はクリスマス。
俺はまぁ...恋人の土方と過ごすわけで。
でも、今日は仕事があるらしいから、会うのは夜中。
10時を回ったところで電話が鳴った。

「はいはーい、もしもし?」
『銀時か? 俺だ。』
「ああ。どうしたんだ?」
『今、終わって...ちょっとあって少し遅れる。悪いな。』
「嗚呼、別に構わないけど。」
『そうか、じゃー11時までには行く。』
「はいよ、待ってるな。」
そう言うと俺は電話を切る。
一応、ケーキとクリスマスプレゼントのマフラーを用意したんだけど、
これだけじゃあれかなって思ってシャンパンを買いに財布を持って万事屋を出た。

「うー...寒...っ 」
外に出ると冷たい風が頬に触る。
ほっぺたが熱くなるのを感じる。
マフラーに顔を深く埋めては急ぎ足でスーパーに向かう。

ある、アクセサリーショップの前を通るとふと綺麗な黒髪がめに入った。
一瞬で土方だと思った。足を止めてそれをみる。
―やっぱ、土方だ! 何してんだ? こんなところで。
相手に寄ろうと足を進めると、さっきまで物置で見えなかったあるものが見えた。

「ひじ...かた?」


目に映ったものは、
土方が隣に居た女性と指輪を見ていたから。



――


11時半。
俺はあのあと、ダッシュで万事屋に戻った、
其の儘、ソファに倒れ込んでぐずぐずとバカみたいに涙を流した。
涙が止まってふと顔を上げるともう約束の時間から30分も経っていた。

取り敢えず、水飲もう、と立ち上がると
ピンポーンと呼び鈴がなる。

ドキッ。としながらもおずおず玄関に行き、扉をあける

「よぉ」

「......」

「? 、 どうした?」

「何、してんだよ...」

「は? 」

予想どうり、そこには先程女性と居た土方の姿があった。
彼女ほっといて何やってんだよ、とか思いながら相手をじっとりみる。

「彼女..どうしたんだよ」

「は?なんのことだ?」

「ごまかすなよ!」

本当になんのことを言っているのかわからない、という顔で俺を見る。

「...っ、さっき、女とアクセサリーショップにいただろうが。」

「Σ、見てたのか!?」

顔を真っ赤にしてわたわた焦る土方を見たら余計に涙が出てきた。

「もう帰れよ。それから、別れよう。」

「はぁ!?なんでだよ!」

「なんでも何も、浮気しといて何言ってんだ!」

「浮気じゃねーよ!」

「浮気だろーが!」

あんなまさに恋人にプレゼントを贈ってる姿を見せられて
浮気じゃないなんて嘘、通じると思ってるのか此奴は。
ぐずっと鼻を啜りながら相手を睨む。

「違う、あれは...お前へのクリスマスプレゼントを選んでたんだよ。」

「...はぇ?」

眉下げて、懐から綺麗に包まれたプレゼントを差し出される。

「...悪かった。あの女は俺だけじゃどれを選んだらいいのかわからなくて
相談に乗ってもらってただけなんだよ」

「...まじで?」

「嗚呼。まじ、浮気なんてしてねーよ、いつでも俺はお前一途だよ。」

そう言って微笑んでは土方は俺の薬指に指輪をはめる
罪悪感がぶあああっと溢れて来て
思いっきり抱きついて泣いた。

「悪い!土方...疑って、ヤキモチ妬いて..別れようとか言って本当..っぐす。御免...」

「..許さねーよ。」

ぼそっとそう呟く土方に、本当にもうだめだって思った、

「キスしねーと、絶対許さねー」

意地悪げに笑う此奴は本当に愛おしい。

「ばか...有難う。」

薬指に光る指輪は俺たちをつないでいる。
いつまでも永遠に。



愛してる、




そう呟いては俺たちは深く唇を重ねた。





おまけ。



「俺も、プレゼントあるんだぜ?」

「マジで?」

俺はクリスマス用の包みを相手に渡す。

「...まふらー」

土方は袋を開けて中を見るとボソ、と呟く

「やだった?」

「いや、一生使う。 俺が死ぬときはこれを一緒に入れて火葬してくれ。」

まじな顔でいうから思わず吹き出して笑った。

「ばか...」

「有難う、銀時。 愛してる。」

土方はまふらーを巻きながら俺を引き寄せて
唇を重ね合った。





*************

めりーくりすます!のネタ。

甘くしたかったけどちょっとシリアス入った(;^ω^)

遅れて申し訳ありません。

めりーくりすます!

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