■ 愛。
「銀時、」
「ん?」
「話があるんだ。」
「....」
屯所に遊びに来ていた俺に土方が真剣な眼差しで見てきた。
あれから愛していると言われてもうんとしか返していなかった。
だってもう愛せないから。
俺以外の誰かと体を重ねたこと、
俺以外の誰かと唇を重ねたこと。
俺以外の誰かをその瞳に映していたこと。
もう愛せないよ。
そんな態度をとっていればもう流石に潮時かと思っていた。
だから土方が真剣の眼差しで此方を見るものだから、
別れ話だとすぐに理解した。
「うん、俺も話がしたいと思ってた。」
「先にいいか?」
「どうぞ?」
いきなりドスドスと詰め寄ってくる土方、
バンッと大きな音を立てて床に両手を付く土方。
其の儘、頭を床に近づけた。
所謂、土下座の体制。
「っは?」
いきなりの行動に目をまん丸にしてきょとんとしてしまう。
「悪かった!!! 俺は、浮気をしていた。
本当に御免....俺は銀時を愛している。だけど手に入れたらもうなんか
次の奴がほしくなって...違う女に手を出した。
唇も重ねた。家に何度も行った。料理をご馳走になった。体も重ねた。
手もつないだ。抱き合うこともした。恋人の用にデートもした。
浮気していることを悟られなければ大丈夫だと思って何度も何度も...!!
だけどそれは間違ってたんだ。許してくれとは言わない。裏切って本当に済まないと思っている!
銀時を...愛しているんだ。 それだけは知っててくれ...」
肩を震わせてそう呟く土方。
最後のほうは泣いているのかしゃくりあげていてよく聞こえなかった。
暫く黙っていた俺だったが、そっと土方の肩に手をおいた。
「話してくれて...有難う。
2年目の記念日の夜、俺は土方が浮気していることを知った。
辛かった。 俺以外のやつを御前の瞳に映したことが本当に許せなかった。
今でも許せない。 裏切られたんだ。そう簡単には許すことできない。
だから、別れよう。
一度、全てをリセットしよう。 俺た、ちが、本当の赤い糸で結ばれっ、てるなら
また付き合える、と、思うから。だから今は、分かれて..それで最初からやり直そう?」
最後のほうは俺も泣いてしまっていて、途切れ途切れに言葉を紡ぐ
土方は顔を上げれば泣きながら「有難う、御免。」と繰り返した。
俺たちは恋人同士として、抱き合って泣いた。
本当に愛していたよ。土方。
また恋人に戻れる日まで....
バイバイ。
***********
終わりました。
いやー、結構な時間掛けたorz
肩懲りました←
きっと2人がまた付き合い出すのはまだちょっと先のおはなしですね^^
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