すくーる・わーるど














「…何なさってるんですか?」



縁側に座ってお茶をすすっていると、青色の着物を着た少年がやって来た。



「おや、君は?」

「あ、僕、時友四郎兵衛っていいます。2年は組で体育委員会です」

「私はナナミ、よろしくね。体育員会っていうと、小平太君の後輩かな?」



庭で組み手をしているその人を指さすと、四郎兵衛君はコクリと頷いた。



「はい。それで、七松先輩は一体何を?」

「うん。ちょっとした模擬戦を」



視線を庭に戻すと、小平太君の蹴りがマリルの腹に直撃した。けれど、マリルはすぐさまアクアリングで回復している。

この間のキノココの一件以来、勝負を挑まれていたのだ。本当はルカリオを指名されていたのだけど、彼は乗り気ではないらしく、最近全く出番のなかったマリルが対戦相手を買って出た次第である。

今度はマリルが小平太君の腹部に頭突きをかましたが、流石忍者のたまごというべきか、軽やかにかわしている。頭突きなんて覚えていないだろうに。マリルの特性を生かすためにも何か物理技を覚えさせた方がいいかな?



「七松先輩すっごい馬鹿力の持ち主ですよ。あの子、大丈夫ですか?」

「大丈夫、大丈夫。あの子の防御力もバトルセンスも中々のもんだから」



だが、まあ、万が一を考えて武器の使用は禁止という事にしてある。



「それで、君はなんでナゾノクサを抱えてるの?」



四郎兵衛君はぽへ〜とこちらを見上げると、腕の中のきょとんとしているナゾノクサを覗き込んで、首をかしげた。



「何の草だが、分からないんですか?」





「…うん、そうじゃなくてね。ナノゾクサっていう種族なんだよ」



四郎兵衛君はどうやら天然らしい。
















「って、あれ?いつの間にか七松先輩が地に伏してる!?」

「マリル、あんたまた滅びの歌使ったね…」

「リル!」

「えっ、滅びっ!?七松先輩滅んじゃうですか…!!?」

「いや、戦闘不能になって気絶してるだけだから、大丈夫だよ」

「戦闘不能!?七松先輩が!!?」










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