すくーる・わーるど










「キノッコ!」
「「キノッコ!」」



キノココたちはタネマシンガンを繰り出す。



「みんな、かわして!ルカリオ!メタルクロー!エーフィはシャドーボール!ブースターは火炎放射!」



メタルクローとシャドーボールはヒットしたが、ブースターの火炎放射はかわされてしまった。

「ブースタ!」

ブースターは指示を待たずに電光石火で突っ込んで行く。かなり頭に血が上りやすいらしい。けれど、キノココたちは3体でうまく翻弄してブースターの動きをかわしている。本来ならキノココの素早さはブースターの半分ほど。完全に冷静さを欠いている。

「ブースター!落ち着いて!!相手の動きをしっかり見て!!」
「ブー、スター!!」

苛立ったように火炎放射を放つ。けれど、キノココたちは器用にかわす。そして、一体がブースターから距離を取った。

「ダメだ、全然聞いてない…」
『完全に頭に血が上っています。キノココの動きもきちんと見えていません。主、あれをご覧ください』
「!?いや、ご覧くださいって、あれ、ソーラービームの構えじゃん!!やばいよ!?」

先ほど距離を取ったキノココが太陽光を浴びてキラキラと身体を輝かせている。いくら効果はいまひとつでもあれはやばい。流石にやばい。キノココのエネルギー集中が完了した。

「っエーフィ!守る!!」
「エー、フィ!」

ブースターとキノココの間に入って、シールドを展開する。

「ブースタッ!!」

ブースターが邪魔するなと言わんばかりにエーフィを突き飛ばした。そんな好機をキノココたちが逃すはずもなく攻撃を仕掛けようとする。

「っぁあ!もう!!ルカリオ、足止めをお願い!!」
『承知しました』
「ブースターはいったん戻って!!」

ブースターをボールに戻し、エーフィに駆け寄る。

「エーフィ、大丈夫?」
「フィー」

差し出した手のひらに頬を擦り付ける。大丈夫だよ、の意だ。

「ブー、スタッ!!」

そしてやはり、ボールに戻したブースターはすぐに自分で出てきてしまい、態勢を低くして唸る。はあ、と一つため息をついた。

「いい?ブースター。ポケモンバトルはがむしゃらに攻撃すればいいってもんじゃないの」
「ブッ!ブ、スタッ!!」
「ブースター!!!」

強く名前を呼ぶと、ブースターは一瞬竦んだ。

「エーフィ、ブースターをお願いね。ブースター、よく見てて」



ルカリオは防御に徹している。レベルの差があるとはいえ、流石に3対1はきつい。





「お待たせ、ルカリオ」







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