すくーる・わーるど










「すっかり馴染んだね、ブースター」

『炎タイプ同士、気が合うのでしょう』



庭で遊んでいるブースターと面倒を見ているリザードンを眺めながら呟くと、私の後ろでお茶を啜っていたルカリオから合いの手が入る。二体は炎を掛け合って遊んでいる。炎タイプならではの遊びである。っていうか、ルカリオ、馴染みすぎ。





「「うわぁぁぁあああああ!!!」」



「!?今の声、」

『主、新たなポケモンの波導を感じます!』



リザードンとブースターをボールに戻し、急いで声のする方へ向かう。

そこには、二人の少年が尻餅をついて、部屋の中を指さしていた。



「金吾!どうした!!」
「喜三太!大丈夫か!?」



少年たちの声を聞きつけて、緑色の服を来た少年たちがやって来た。



「せ、せんぱいっ!!」
「き、きのこの化け物が…!!」



部屋の中には、こちらを警戒するキノココが3体。先輩と呼ばれた男の子二人が懐から刃物と鉄の棒を取り出す。



『主、キノココたちはこの状況に混乱しているようです。それに、空腹で気が立っています』
「ちょっと!!キノココたちを刺激しないで!」
「何言ってんだ!?こいつらは、喜三太たちを襲おうとしたんだぞ!!」
「それに、今にも攻撃してきそうだ!やられる前に仕留める!!」
「馬鹿なこと言わないで!!キノココたちは基本的に落ち葉の下でじっとしてる大人しいポケモンなの!この子たちはただ、食事を邪魔されて怒ってるだけ!!」



キノココたちの周りには、腐った野菜くずが散らばっている。彼らは、湿った場所を好み、腐葉土を食べる。突然こんな場所に連れてこられて、ただでさえ混乱しているのに。食事を邪魔された挙句、殺気むき出しで攻撃されそうになったら、警戒するのも当然だ。

私はエーフィのボールを放つ。



「エーフィ、サイコキネシス!キノココたちを外へ!!」



部屋の中で暴れられたらたまらない。エーフィとルカリオが飛び降りる。



「キノココ、怖がらなくていいから。大丈夫だから、ね?」
「「「キノッコ!!」」」
「ダメか…。リザードンだと技が効きすぎるし、エーフィ、ルカリオ、このままいくよ!」
「エーフィ!」
『承知しました』



臨戦態勢のエーフィとルカリオの前に、ブースターが飛び出した。



「って、ブースター、君もバトルするの?」
「ブー、スタ」



ブースターは、肩越しにこちらを見て、頷いた。2対3でもいいかと思ったけど、本人がやる気ならいっか。



「オッケー、じゃあ、いくよ」










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