可憐な非日常 | ナノ

まず、私のことを述べようと思う。

私は椎名棗、内務省特務機関超能力支援研究局、通称B.A.B.E.L.(バベル)に所属する特務エスパーであり、精神感応能力、透視能力、接触感応能力など、"視る""読む"ことに特化した超能力を持つ複合能力者である。

超能力自体に攻撃性がなく、また主任がバベルの医療研究課の医師であるため、専ら先生の補佐が多い。

東京に住み、学業と職務に多忙な日々、たまには一日中ごろごろしたいなーとか森林浴でもして癒されたいなーとか考えていたが休みなど取れるはずもなく。

加えて催眠能力や瞬間移動能力を持ち合わせていない私は、催眠で気分だけでもとかパッと行ってパッと帰って来るなどということは出来ない。



なのになぜ、私は舗装されていない道に立ち、青々と茂る木々に囲まれているのか。



何で。一体どういうこと。





ジッとしていても始まらないのでとりあえず精神感応で先生に呼びかけてみた。

が、応答はまるでない。



リミッターが効いてて届かないのかな…。

薫ちゃんたち程ではないにしてもそれなりに高超度なんだけど…。



接触感応や透視も使えないかな、と思いながら一応やってみると思ったよりも多くの情報が読み取れた。



そして、読み取った情報をもとに私は駆けだした。





それは、道端に倒れた子供の姿。












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