2018.0427- | ナノ
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▼ 2018.6.5
R様へ


はじめまして。
管理人をしております濡羽と申します。
この度は啄ばみに足をお運びくださりありがとうございます。
また、拍手と共に素敵なお手紙もありがとうございました。
お手紙を拝読しながら、とても精緻に読み込んでくださったのが分かり、作者としましては感涙ものです。

monologueにつきましては、実は二世を書こうと思った当初は無かったものなんです。
シカクさんと夢主、またはそれを取り巻く人々の視点から物語を構成しようと思っていました。
ですがプロットを練るうちに段々とまとまりのないものになっていくことに気付き、何か一本物語の芯となるような……シカクさんと夢主を傍観して見てくれる存在が必要になったんです。
それがmonologue誕生の秘話だったりします。
実際monologueを入れると、物語がシカマル君視点で俯瞰されることによって厚みが出たような気がしています。
monologue1で読みたいと思ってくださったとのことで、monologueを挿入する作戦は成功したのかな?と嬉しくなりました。
構成を考えるのがなかなかに苦手な私なので、こうして構成が良かったよ!とお手紙をいただけることは幸せだったりします。ありがとうございます。

シカマル君にとって、夢主のことを娘だと思っているのか?と聞いたりするのは本当になんてことない一言だったのだろうと思います。
それが実はシカクさんの深い部分に刺さっていたとしても。
人の心は分かりませんからね。それは家族であっても。
夢主がぐらぐらと揺れてシカクさんにのめり込んで行くように、速度は早くなし若い子のように熱烈な恋愛感情を持ったりはしなかったと思いますが、確かにシカクさんの中にも夢主を愛する感情は育っていたと思いますし、愛していたことは確かです。
ですがそれと同時に家族を愛してもいる。
人を愛するって、必ずしもテリトリーを決められたものではないと思うのです。
愛している人がいても、心に棲みつきはじめる存在がいても不思議ではないと思います。
ただそれを言葉や行動に移すかどうか。
シカクさんは家族のこともしっかりと考えた行動に出てくれましたよね。
夢主を好きだと抱き締めたところは、シカクさんの精一杯の境界線だったんです。
あのシーンは私も書きながら苦しいな……と思っておりました。(^^;;
最後に心中出来たことをこの物語の最善のラストだとあとがきに記させていただきましたが、それをR様のように報われたと仰ってくださるのはシカクさんにとっても夢主にとっても救われる一言のような気がいたします。

ゲンマさんに関しては、これは沢山色々な方からお言葉を頂くんですよね。
ゲンマの一言によって夢主が感情に気付いていくのを、ゲンマはどんな気持ちで見ていたのか。
ゲンマは夢主のことをどう思っていたのか。
これは現在長編で『会いたくて』を執筆しているのですが、それが書き終わり次第手をつけてみようかなと思っていますので、楽しみにしていてくださると嬉しいです。

また、気になっていると仰ってくださいました「放物線〜」の部分に関してですが。
この”私たち”はシカクさんと夢主に限らず、あの場所で自分たちの所が狙われていると知った”忍たち”を指します。
夢主にとって自分たちが狙われ、シカクさんと一緒に逝けると思った瞬間にこの世に未練はないんです。
なので、あの文章は私たちという書き方をしていますが、ニュアンスはとても第三者のようなものになるんです。ですが夢主視点で書いているので、まるっきり第三者視点の文章を入れるわけにもいかず、あえて”忍びたち”という大戦を外側から捉えられるように”私たち”と文章にしました。(紛らわしくて申し訳ありません)
ですので、シカクさんが想いを捨てきれずにいたかどうか。振り向いたかどうか。という問いに関しましては、正直作者がこうだ!と肯定しない方がいいなと思っています。
なぜなら、R様が想像してくださったように、振り向かなかった!と思ってくださったり、振り向こうとしたのでは?と考えてくださったり、想像が広がった方が物語に幅が出来ると思ったからです。
物語は読み手の方によっていくらでも変化していきます。
今作では、そんな変化に対応していってくれたら良いなと思い想像の余地を残しました。
ですが、もやもやする!という気持ちもあるかと思いますので、私がこうだったら良いな……と思っていることをそっとお話ししますと、最後シカクさんは振り向かなかったのだろうな……と個人的には思います。(あくまで私の考えです。笑)
シカクさんはあのベンチで夢主を抱き締めた時に、夢主をこれ以上傷付けないために自分の気持ちをそっと押し込めたような気がするからです。

と、考えてはみるもののシカクさんは難しいですよね。
大人の男性すぎます。
私の手になんかおえないです。笑

ということで、こんな感じでR様の疑問にはお答え出来ていますでしょうか……?
私も中々にこうして説明したりするのが下手なので(>_<)
また何かございましたら、お手紙くださればしっかりお答えさせていただきます。
こちらこそ長々と申し訳ありません。
他の小説も読んでくださるとのことで、またお気に召す作品がありましたら教えてくださると嬉しいです。
今後とも精進して参りますので、啄ばみをどうぞ宜しくお願いいたします。
それでは、これにて失礼させていただきます。