Lust | ナノ

押し殺した声に欲情し、堪らず城戸はなまえの中に収めたばかりの楔を揺らした。
先端から根元まで、くまなく絡みつく膣壁からの熱に全身に汗が浮かぶ。
狭くてきつくて熱い、おまけに僅かでも動けばぐちぐちと粘着質で卑猥な音が響くのだ。薄い膜越しに感じ取っているとはいえ、これではもう堪ったものではない。
一人なまえを思って欲望を吐き出していたあの情けなく後味の悪い行為とは比べ物にならない快楽に、城戸は耐え切れずに一度なまえから目を逸らした。


「あ…、マジ…やばい」


なまえちゃんの中、気持ち良すぎ…。
ゆっくりとなまえの内壁から伝う心地よさを味わうように腰を揺らす城戸の耳には、一瞬だけ漏れたなまえの甘い声が鳴り響く。
頭で思い描いていた以上に白く透ける肌と、柔らかな感触、敏感過ぎるほどの反応に、挿入直後だというのに城戸からは余裕がいとも簡単に吹き飛んでしまった。
きゅっと握り締めた指を口元に当てて蜜声をこらえるなまえの仕草が、一層城戸を追い立てる。
なまえはどこが気持ちいい場所なんだろうか、と中を隅々まで探りたいという気持ちはあるものの、緩々とした動きでしかないのに途端に上り詰めてしまう身体は抑えようがない。


「なまえちゃん…、声…聞かしてよ」
「っ、城…戸さ…」
「ね…すっげー濡れてる、なまえちゃんの中…」
「や、だ…っ、」


嗚呼、可愛いなぁ。そんなことを思う余裕はまだ残っていたようで、声を殺そうと必死ななまえの羞恥に満ちた表情に城戸の口元が緩む。
突き上げる瞬間に鼻に掛かった声が漏れるのが尚のこと愛おしく、城戸の動きは意図せずとも徐々に速さを増してゆく。
大きな動きで雄を引き抜き、勢いをつけて腰を打ち付けると、組み敷いたなまえの柔らかな双丘がふるふると揺れ動いた。
視覚に映る甘美な刺激にすらも、城戸の体温は上がってしまう。
堪らずに両手でなまえの胸を鷲掴むと、噛み付かんばかりの勢いで城戸が硬さを帯びた突起にしゃぶりついた。
途端にきゅっと膣圧が増したことに、城戸の僅かばかり残された余裕などはすぐさま掻き消えてしまった。


「城、戸さ…っ、」
「俺…もうヤバいかも…」


もう、なまえちゃんしか要らない…。
振り絞るように囁きかけると、城戸はなまえの唇を塞いで舌先を捩じ込んだ。
絡み合う舌先が激しさを増すと、開かれたなまえの唇からは先ほどまで必死に堪えていたはずの喘ぎ声が溢れ出す。
脳を痺れさせるようななまえの声に城戸からも熱い吐息が漏れはじめ、さらに奥へ奥へと腰を進めようと、城戸の身体がぴたりとなまえに密着する。
触れ合ったなまえの肌は発熱しており、それが自分の手で与えたものの証拠である事が、城戸にとっては嬉しかった。


「っ、ね…もう、イってもいい…?」
「ん…、っい、しょに…」
「じゃあ…一緒に、イって…?俺もなまえちゃんと…一緒にイきたい…」


苦しそうに歪められたなまえの表情に、城戸は全身がぞくりと総毛立った。
必死に堪えようにも堪えきれない、絶頂を迎えんとするなまえの眉間に寄せられた皺も、泣き出してしまいそうな瞳も、二の腕に縋りつく両手も、何もかもが城戸には愛おしく感じられた。
昂ぶった身体を、一番なまえを突き上げやすい体制へと直すと、容赦なく己を締め付ける狭い入り口を城戸は何度も何度も速さを増して突き上げた。
圧迫感を増してきゅうきゅうと脈打つ膣壁を一秒でも長く堪能したい一心で、必死に射精を堪えながら城戸がピストンを繰り返すうちに、連続する絶頂に限界を迎えたなまえが悲鳴にも似た蜜声を上げて二度三度と大きく身体を跳ねた。
その勢いを殺さぬまま城戸の雄から激しく精液を搾り取ろうと締め付けるなまえの秘所に抗えずに熱を放つと、大きく脈動する雄が同じく脈動するなまえの膣壁とぶつかり合う。


「っ、あー…もうすげー気持ちよすぎ…」
「ん…」
「ゴメン、ちょっと…我慢しきれなかったわ…」


本当はもっと、なまえちゃんのことイかせたかったんだけど…。
はぁ、と大きく息を吐きながら不甲斐なさを詫びていると、弾む息を整えながらなまえがゆるゆると城戸に頭を振って見せた。


「これ以上されたら…身体、持たないです…」
「なまえちゃん…」
「城戸さんに触れられると…、すぐ気持ちよくなっちゃって」


少し困惑気味な笑顔ですらも、城戸の胸を締め付けるには十分すぎる破壊力である。
あー…、と照れくささを隠しながら呻き声を上げると、城戸はぎゅっとなまえを抱きしめるのだった。

Beauty & Stupid

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -