Lust | ナノ

壁に背を押し付けられたまま、秋山に対峙したなまえの身体は彼の腕の間に閉じ込められていた。
もうどこへも逃げ場がない状況の中、じわりじわりと秋山の顔が迫ってくる。
互いの身体はどこも触れ合っていないのだが、壁と秋山に挟まれただけでなまえは身動きすら取れない。


「秋、山さん…っ、」
「もう…そんな顔しないでよ…」


意地悪したくなっちゃうでしょ。
にこりと笑って見せると、秋山は逃げるように俯いて顔を逸らしたなまえにぐっと迫った。
決して身体を触れさせずになまえを覗き込むと、掬い上げるようにキスをする。
唇で押し上げるようにしながらなまえの顔を上向かせると、秋山は角度を変えて再びなまえに唇を寄せた。


「っ、あき…」
「なまえちゃん…可愛い…」


嬉しそうに囁くと、秋山の舌先がなまえの唇を割って侵入した。
徐々に上がっていくなまえの息遣いに満足感を覚えながらも、相変わらず秋山はなまえの身体には触れようとはしない。


「も、っ…」
「ん?なに?」


敢えて惚けた振りで秋山が聞き返すと、耐え切れずになまえの手が秋山のスーツに縋りついた。
その様子にこの上ないほどの嬉しそうな表情を浮かべると、秋山の右足がなまえの太腿を割って距離を詰める。
壁に膝を押し付けながらなまえに密着する秋山の足は、なまえの際どい場所を敢えてぐりぐりと押し上げてゆく。


「なまえちゃん、キスだけで膝から崩れそうだね」
「だ…って、秋山さんが…」
「俺が?あんまり気持ちいいキスしちゃったから?」


ほのかに頬を染めて顔を逸らしたなまえの頬に、秋山の唇が触れる。
それでも頑なに顔を逸らしたままのなまえが見せる抵抗が可愛らしくて、秋山はついついその綺麗な首筋にねっとりと舌を這わせた。
びくりと跳ねるなまえの身体に愛おしそうに手を伸ばすと、秋山は少しずつなまえの服を乱し始めるのだった。

囚われの君

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